中国・武漢市から発生したとみられる新型コロナウイルス。未だ終息が見えない状況にあります…。コロナウイルス発生源については海鮮市場で扱われていた野生動物が疑われており、コウモリやヘビ、タケネズミではないかといわれています!そもそも中国では、なぜ野生動物を食べるのでしょうか…?
昔から『中国人は、4本足のものはテーブル以外何でも食べる』という言葉があるくらい、中国人の食に対するこだわりは世界で抜きんでているといわれています。おいしい食材への飽くなき探求心を持っており、その『終着点』が野生動物ではないかと…。
清朝時代の宮廷料理で『満漢全席』という宴会様式があるようで、数日間かけて、100種類を超える料理を食べたといわれています。
現在は当時と同じ満漢全席はないようですが、それに近い宮廷料理を出す店はいくつかあり、メニューの価格を決めるのは珍しい食材があるかどうかだそうです!
いかに珍味を集めるかで料理の格や値段が決まってくるのだといい、珍味も山のもの、陸のもの、海のものとさまざまで、日本人の想像を超えた物もあるようです。
そういったなか、「珍しいものを食べたい」という終着点が野生動物だったというわけです。お金がないとできないぜいたく、お金持ちになって初めて食べられる食材なのです!
また、野生のものを使っている漢方薬は何千年も前からあり、今回、感染源とされる市場の中でも、漢方薬の材料という観点で売られていたものがあるかもしれません。漢方の考えでは『野生のものの方が、免疫力が高まるので薬に適している』とされています。
野生動物を、どのような料理にして食べるのかというと…コウモリは東南アジアでも食用にされますが、中国では主にスープで食べるそうです。
ヘビは広東省では高級食材として珍重されており、『ゾウの鼻の輪切り』という料理もあるそう…!!どんな野生動物も、基本的には熱を加えて食べ、ヘビに関しては刺し身で食べる地域もあるようです。
野生動物を扱っている市場は農村の人がその日に取れたものを売っているとし、流通経路を通ってスーパーに並んだ食材と比べ、とても新鮮なのだそう。お肉の場合、スーパーでは加工されたものですが、市場ではその場で処理されたものを購入できるようです!
1970年代くらいまで、鶏肉といえばまず生きているニワトリを市場で買って、それを自分でさばいて料理するのは当たり前だったそう。1980年代後半まで、中国では冷蔵庫のない家庭も多かったようですが、これは中国人が冷たい食べ物、飲み物が嫌いということに加え、市場で新鮮な食材を買って、その日に料理するので、冷蔵庫がなくてもよかったからだとされています。
2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)はコウモリを食べたハクビシンが感染源と言われていますが、当時、インタビューで『なぜハクビシンを食べるのか』と聞かれたある中国人が『なぜ食べるか? おいしいからに決まってるからだろ!』と答えていました。
今回のような問題があっても、感染源とされたコウモリやハクビシンの流通は続いており、取り扱い方など、SARSのときの負の記憶が生かされていないようです…。
今後、規制が強化されるかもしれませんが中国人の中には熱烈なファンもおり、漢方薬の材料にもなっているので、野生動物を食べる習慣を完全になくすのは難しいと言われています。
確かに食文化を変えることは簡単なことではありませんが、実際これが原因となって世界的に悪影響を及ぼし、死者までも出る始末となっています。このままでは、今後も同じことが起こる可能性は大いにあるでしょう。深刻に考え対策をしてもらいたいものです…。