江原道江陵のチャムソリ博物館が「日本人観覧禁止」と「No Japs Allowed」と書いて掲げたが撤去した「ボイコットジャパン」の立て札。
韓国ではこういった看板が多く目立っており、実際に飲食店でも「日本人立入禁止」などといった看板が多く存在しているといいます。
これを受け、今年で韓国生活9年目のフリーランス記者のラファエル・ラシッド氏(32)が去る10日、自身のツイッターを更新し、批判ツイートを行いました。
ラファエル・ラシッド氏は今月10日、自分のツイッターアカウントに、
This ain't nationalism, this is racism.
BBQ resto in Busan: "No Japanese allowed in. No service will be given to Japanese whatsoever"https://t.co/THoFevlg6D pic.twitter.com/EwYrGEgGmm
ADVERTISEMENT — Raphael Rashid (@koryodynasty) August 10, 2019
「日本人立入禁止」と書かれた垂れ幕を掲げた釜山の韓式食堂の写真とともに、
「これは国家主義ではなく人種差別主義だ」(This ain’t nationalism、this is racism.)
というツイートを投稿しました。
ラファエル氏によるツイートは、日本人の食堂出入りを禁止するという案内垂れ幕が「人種差別主義」に当たるという意味でした。
英国の大学で韓国学と日本学を、韓国の大学院で韓国学を勉強したというラファエル氏は、なぜこのようなツイートを書いたのでしょうか?
彼は13日、「ハンギョレ」との電話インタビューで、
「韓国人がなぜ日本を批判し、日本製品の不買運動をするのかは、よく理解している。しかし、批判の対象は日本人ではなく安倍政権でなければならないのではないか」と話し、
「そのツイートを書いた後に『韓国の歴史を十分に勉強しろ』という内容のメッセージをたくさん受け取った」と述べました。
「韓国人と日本人はどちらも東洋人だから、学問的に突き詰めると『人種差別』と規定することはできないかもしれませんが、国籍や肌の色などを理由に誰かを差別するのは結局、差別ですよ。韓国に住む私の日本人の友達も韓国と日本の過去のことをよく知っているのに、彼らがなぜ食堂の出入りを禁止されなければならないのか、理解できません」point 214 | 1
ラファエル氏がアップしたこのツイートは、14日午前10時現在、1300回以上リツイートされ全世界のインターネットユーザーに拡散されています。
彼らは韓国食堂の垂れ幕の文章に対して、
「人種差別が正しい」
「厳密に言えば民族差別という表現がより正確だ」
など、少しずつ異なるが「差別」に当たるという意見に多数が同意する雰囲気となっています。
こういった人種差別が疑えるのは、食堂だけではないといいます。
これに先立って今月7日頃には、江原道江陵(カンヌン)の私設博物館のチャムソリ博物館が「日本人観覧禁止」と「No Japs Allowed」と書いた「ボイコットジャパン」の立て札を掲げたが、観覧客の抗議を受けて撤去する事態が発生しています。
「Japs」は日本人を蔑視する意味を込めた人種差別的英語表現だと知っていますか?
チャムソリ博物館の関係者はハンギョレとの電話インタービューで、
「今月初め、日本に抗議する意味で三日間ほど掲げたが、来場したお客様が人種差別であるとの話をしてくださり、一週間ほど前にすぐ撤去した。『Japs』という表現が(人種差別的な意味だということを)知らずに書いた」と話していることが明らかになっています。
ツイッターでは外国人利用者と韓国人利用者が共に批判の声を上げています。
反面、対馬など日本国内の一部地域で外国人の公共施設利用や出入りを制限するものを見て、「日本人立入禁止」を掲げた韓国食堂だけ批判するのは難しいというネチズンもいました。
ラファエル氏はまた、こういう指摘もよく知っており、彼は「外国人を差別した日本の案内文にも当然同意しない。ところで人種差別問題をめぐり『目には目を歯には歯を』という論理で戦うことは正しい解決策とは違うようだ」と自身の考えを明らかにしました。
また、ラファエル氏は最近、韓日の葛藤の局面で日本製品不買運動を超えて「日本人立入禁止」の垂れ幕まで登場するようになった背景として、韓国社会の人権教育の不備と差別禁止法の不在を挙げています。
「韓国の学校では、『差別』が何であるか、十分には教えていないようです。また、ご存じのように包括的差別禁止法も制定できませんでした。そんな状況では、日本人だけでなく他の差別もいつでも起こりうるのではないでしょうか」