「すべては私を家族から追い出し、妻や息子と引き離すために画策されたことです」そうミツカングループ代表取締役会長兼CEOの中埜和英氏(68)を”告発”するのは中埜大輔氏（38）。和英氏は、中埜家の8代目当主であり、高額納税者全国6位に名を連ねたこともあるほどの大資産家です。そして告発者の大輔氏は、和英氏の次女で、次の当主と噂されるミツカングループ専務の聖子氏（40）の夫です。
愛知県半田市中村町二丁目6番地に本社を置く株式会社Mizkanは、調味料と納豆を主力製品とする大手食品メーカー。どの家庭にも”味ぽん”は必ずあるのではないでしょうか？？売上高約2400億円、家庭用の食酢で約7割のシェアを誇っています。ミツカンの歴史は創業200年を超え、代々愛知県半田市の中埜家が経営してきた非上場の同族会社です。point 234 | 1
そんな歴史ある中埜家に、”お家騒動”が持ち上がっており、それはミツカン本体をも巻き込むほどの騒動となっているのです。それはミツカン.・和英会長を相手取り、その次女で時期９代目と目される、専務取締役の聖子氏の夫・中埜大輔氏が実名で告発したことによります。
「すべては私を家族から追い出し、妻や息子と引き離すために画策されたことです。身に覚えのない罵倒や不当な配転など、ひどいパワハラを受けて家族を壊されました」
大輔氏によると、2013年に聖子氏と結婚し、中埜家に婿入りすると同時にミツカンに入社しました。するとほどなくして、和英会長と妻の美和副会長から些細なことで叱責されるようになったというのです。
さらに、「誤解を解くために直接話したい」と申し入れたそうなのですが「お前！！何者だと思っているんだお前！！」「私と直接話がしたいと言える立場か！」と弁解の余地もなく突き放されたそうです。そして結婚1年目のある日、突然”ミツカンを退職せよ”との勧告を受けたと話しています。point 296 | 1
その後、義父母との関係が改善しないままイギリスに移り住んでいた大輔氏夫妻に2014年男児が誕生しました。すると中埜家にとって待望の跡継ぎ誕生したとあって和英会長からの圧力はさらに強まったといいます。
その時のことを大輔氏はこう話しています。「義理の両親にとって、息子が誕生すれば私は用済みだったのでしょう」
そんな思いを確実なものへとする出来事が起きます。それは、大輔氏の大阪の物流センターへの配転命令がなされたのです。大輔氏は単身帰国を余儀なくされ、現在はイギリスにいる家族と引き離された状態で東京で暮らしているのだそうです。
大輔氏はこの配転命令を「自分を家族から引き離すため」の不当なものであるとして、名古屋地裁に仮処分を申し立てています。そして、2016年3月、名古屋地裁は、不当配転との主張を認め”異動を無効とする”仮処分を下しています。にも関わらず、今も大輔氏は親子3人の生活は叶っていないと悔しそうに語りました。point 214 | 1
現在、大輔氏と和英会長夫妻との対立が決定的となった「孫を私の養子にする」事件を筆頭に、4件の法的紛争を抱えていますが、いずれも解決の糸口は見えていません。
この告発を受け、ミツカンの後継者問題の確執について問い合わせたところ、ミツカン広報部は「いずれも現在、審理中の事項でございますので、回答は差し控えさせていただきます」としています。