人類の技術の進歩を象徴する、宇宙ステーションで活動している宇宙飛行士たちは、宇宙食と呼ばれている専用の食事をしています。黎明期はチューブや缶詰によって供給され、中身はペースト状の離乳食のような物体でした。しかし、味のバリエーションの少なさと、食事そのものがストレスになるという現場の宇宙飛行士の指摘から、ほぼ地上と変わらないメニューに変更されたのです。
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現代の宇宙食は、完成品から水分だけ蒸発させたフリーズドライが主流で、軽量で袋のパッケージに封入していることから、一般のお店でも購入できます。扱っているお店は、個性的な商品を仕入れている大手の小売店、宇宙食の通信販売をしているネットショップ、宇宙開発を行っている機関のお土産コーナーです。point 206 | 1
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気になる宇宙食の味は全体的に濃く、無重力で不足しがちな栄養素を多めに入れています。無重力では地上に比べて味覚が鈍くなるので、宇宙飛行士がはっきりと味を感じられるように調整しているのが大きな特徴です。一般向けに販売されている宇宙食は、パッケージのみ地上用で、それ以外は全て本物の宇宙飛行士が食べているものと同じになっています。正式な宇宙食は、宇宙開発の機関が許諾したものであり、認証を受けている商品にはマークがついているので、購入時にはマークの有無をきちんと確認しておきましょう。point 306 | 1
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フリーズドライであっても、地上の食事とほぼ同等のメニューがあり、実際に宇宙食を買って、袋から取り出してみると、想像していたよりも本物のままであることに驚かされます。たとえば、たこ焼きであれば、たこ焼き味のスナックをイメージしがちですが、本当に屋台などで出されるたこ焼きがそのまま入っているのです。食べてみると、水分を飛ばしているのでスナック風の食感ではあるものの、味はたこ焼きで、グルメにうるさい日本人でも美味しいレベルに仕上がっています。味は満点ですが、水分のなさからパサパサするので、その点が気になる方は注意しましょう。point 338 | 1
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宇宙食は、宇宙空間に浮かんでいる宇宙ステーションにおける活動の成否を決める重要な項目だから、原則的に大手の食品メーカーと共同開発をしています。提案された試作品を宇宙に詳しいプロが様々な観点から検査するので、美味しくて安全な宇宙食になっているのが実情です。モチベーション向上のためにクッキーやケーキといったデザート類も完備しており、口に入れると水分を吸収して一気に甘さが広がっていきます。宇宙における食事は、必要なカロリーを摂取するだけではなく、数少ないストレス解消の機会にもなっているので、宇宙食の研究開発にも最先端の技術が駆使されています。point 341 | 1
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日本の文化を象徴したメニューとして有名なお餅も、宇宙食として体験することが可能です。水を入れて戻すと、あのお正月の味をすぐに楽しめます。宇宙ステーションで食べられているお餅を自宅でも味わえると考えると、人類が本当に宇宙空間に進出したことを実感できます。ちなみに、各国の宇宙飛行士のモチベーションを維持するのが目的だから、他の国ではハンバーガー等のメニューも入っています。point 247 | 1
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現実の宇宙ステーションでは、周囲に水が飛び散ってしまうため、専用の装置によって水やお湯を充填するのが普通です。宇宙ステーションに設置されている食品用のウォーマーを使うことで、レトルトの袋などをより温められます。日本の宇宙食は、臭いがあまりなく、飛び散らない程度の水分という厳しい条件に積極的に挑戦を続けており、麺に汁を吸わせる形のインスタントラーメンなどの新しいメニューを次々と出していて、他の国の宇宙飛行士からも人気です。宇宙食としてのレトルトカレーもあるので、たまには現在も宇宙で活動している宇宙飛行士のことを考えながら、同じメニューで食事をしてみるのも一興でしょう。point 353 | 1