皐月賞馬&ダービー馬不在の三冠最終章。今年7月30日に急死したディープインパクトの子ワールドプレミアが、見事にラスト1冠を手に入れました。
春の2冠の勝ち馬が不在で行われたクラシック最終戦は、3歳馬18頭によって争われました。3番人気のワールドプレミア(牡、栗東・友道康夫厩舎)が直線で抜け出して優勝しました。G1初制覇をクラシックで飾りました。
騎乗した武豊騎手(50)=栗東・フリー=は、同馬の父ディープインパクトで勝った2005年以来となる菊花賞5勝目です。
鞍上は88年スーパークリークで記録した史上最年少優勝(19歳7ヶ月23日)に加え、伊藤勝吉の48歳9ヶ月23日を更新する50歳7ヶ月6日での最年長優勝記録も樹立しました。最も菊の勝ち方を知る男が、淀のターフでこの上ない手綱さばきを見せました。昭和、平成に続き、令和でもG1を制し、史上初の3元G1制覇を成し遂げました。
2着は8番人気のサトノルークス(福永祐一騎手)、3着は1番人気のヴェロックス(川田将雅騎手)でした。
不世出の名馬ディープインパクトがこの世を去って3ヶ月。くしくもその血を受け継ぐ素質馬が、世代のライバルたちを蹴散らしてラスト1冠をもぎ取りました。ソエにより春のクラシックを棒に振りながらも、3番人気に支持されたワールドプレミア。最後の最後で、執念が実りました。しかもディープインパクトの子となれば喜びもひとしおでしょう。
「いいレースができて、馬が一生懸命走ってくれました。本当に馬の状態がよかったし、枠順も良かったので、勝つレースをしようと思っていた。いいレースができましたね。調教をしっかりやれているなかでのこの馬体重(前走比12キロ増)、ようやく本格化したのかな、と思います。きょうでもイレ込んでいましたし、まだまだ改善したいところもありますが、道中もしっかり折り合いを欠くこともなく、上手に走ってくれました。春はクラシックに出られませんでしたし、僕自身、久しぶりの菊花賞。ディープインパクト産駒ということで、そういう意識はありましたし、よかったですね。(菊花賞優勝騎手の)最年少と最年長記録を取れてうれしいです。」武豊騎手(ワールドプレミア=1着)と、インタビューで語っていました。point 396 | 1
次走は未定ですが、「長距離で活躍してほしい」と指揮官は先を見据えています。物語はまだ始まったばかりです。最強の遺伝子を持つ令和最初の菊花賞馬が、今後もビクトリーロードを突き進んでいきます。