記憶にも新しい今月5日、京急線の踏切内で大型トラックと列車が衝突しました。
大型トラックの運転手は死亡。列車は脱線し、乗客35人が怪我をしました。
この時の列車の運転手の運転歴は1年と1ヶ月。経験が浅いから事故が起きたと叩くマスコミと経験が浅いのによくとっさの判断ができた、と賞賛するSNSユーザーの間で溝が生まれています。
時速120キロで走行していた列車
当時列車は時速120キロで走行していました。
列車の運転手は踏切の異常を知らせる「信号機を見てブレーキをかけた」と話しています。
異常を知らせる信号の位置は踏切の340メートル手前。
列車から目視で確認できるのは信号から260メートル手前にありました。
つまり600メートル手前で異常を確認でき、確認後すぐにブレーキをかけていれば100メートルの余裕を残して止まることが可能だったと言います。
しかし逆に言えば、120キロで走っている列車は1秒のブレーキの遅れで33メートル進みます。
数秒遅れてしまえばブレーキも間に合わなくなってしまいます。
この責任は運転手にあるのでしょうか。
手動ブレーキに頼っている現在、運転手の責任だと言い切ることは難しいことだと思います。
トラックはなぜ踏切を通ったのか
踏切内で立ち往生してしまったトラックは近くの物流会社でグレープフルーツやレモンをのせ、千葉県成田市へ向かう予定でした。
会社が運転手に伝えていた安全ルートは、国道15号に出たところで右折をし、首都高速に乗るルートでした。
しかし実際には運転手は国道で左折してしまい、現場の踏切へ侵入してしまいました。
物流会社は「1番安全な道を教えたのに、なぜ違うルートを通ったのか」とコメントしています。
高さ制限を避けて道に迷った?
トラックが国道を左折し、その後交差点で右折した先には車高制限2.8メートルまでの標識がありました。トラックは高さ約3.8メートルで、アンダーパスを避けるうちに踏切にたどり着いてしまったと考えられています。
京急社員が事故直前トラックの操作補助をしていた
乗務交代後の休憩中だった二人の京急社員は、踏切と並行している道から踏切と反対方向に左折しようと何度も切り返しを行なっていたトラックを見かけました。その際、トラック運転手に後方確認を頼まれたため、手伝いましたが道幅が狭くうまくいかなかったため「左折を諦める」と運転手に言われ、補助をやめ、近くで見ていたと言います。
その後、踏切方向に右折を始めたトラックが遮断機の降り始めた踏切に侵入したため、二人はすぐに非常ボタンを押したと言います。
Twitterユーザーの反応
電車の運転手を叩くマスコミに対して、SNS上では #頑張れ京急 というハッシュタグが広まっています。