在日韓国人夫婦の間に1975年12月20日に生まれた金村剛弘は東京朝鮮高級学校を中退した後、父親の経営する会社に勤務するようになりました。父親の会社は韓国食材を焼肉の食材の卸売店や小売店に卸すという仕事を行っていましたが、その後事業は拡大され、歌舞伎町にビルを持つほどの裕福となりました。芸能人とも交流があり、数人の女優とも恋人関係だった過去があります。
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金村剛弘が関東連合と関わりをもつようになったのは暴走族の狂乱恋命に所属した頃からでした。関東連合は1973年に結成された世田谷や杉並区の暴走族の連合体で、2003年に解散しています。しかし現在でもそのOBと関わっている人達のことも関東連合という呼び名で呼んでいます。
そして2008年3月17日午前10時10分頃、金村剛弘は新宿5丁目の路上で複数の金属バットを持った男達に襲撃されて意識不明の重体となって発見されます。3月21日午後12時45分、脳挫傷が原因となって彼は亡くなりました。当時32歳でした。この頃、一応表では父親の会社の社員となっていましたが、裏では暴力団山口組系「弘道会」の準構成員だったということで、警察でもその関係を調べています。襲撃された時、金属バットで殴る男達に金村剛弘は涙ながらに土下座しながら謝り、許しを乞うていたと目撃者が話しています。しかし、男達はそれを笑いながら金属バットで殴り続け、殺せという声も聞こえたということです。
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金村は身長は低くて小柄でしたが、かなり筋肉を鍛えており、普通にケンカをした場合には負ける確率はとても低かったといわれています。しかしさすがに金属バットを持った男数人に襲われては身の守りようもなかったのではないでしょうか。この死に深く関わっていたとされているのが新宿ジャックス時代にチームの一員だった木村兄弟です。新宿ジャックスとは金村が親友で舎弟でもあった岡沢と共に立ち上げたチーマーのグループでした。金村が新宿ジャックス時代に恐れていたといわれているのが兄の木村泰一郎、弟の木村孔次郎という木村兄弟でした。特に弟の孔次郎は金村襲撃に大きな関わりがあるとされています。
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関東連合の面倒見役だった金村の壮絶な死を受け、関東連合のメンバーはその復讐をすることを誓ったといわれています。そしてその犠牲となったのが飲食店経営者だった藤本亮介さんでした。2012年9月2日未明に東京・六本木にあるクラブ「フラワー」で目出し帽をかぶった10人ほどの男達に撲殺されたのです。藤本さんは木村孔次郎と体格が似ているため、身代わりにするため、服装なども自分と似た服装をさせてこのクラブへと出かけさせたのだといわれています。自分が復讐のために狙われることをあらかじめ想定していたためです。そしてその影武者とされた藤本さんを撲殺後、男達は逃走していきました。
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この事件がきっかけで関東連合では逮捕者が続々と出て、事実上の壊滅状態となりました。しかし木村兄弟についてはその件では逮捕されることなく、現在にまで至っています。兄は腕っぷしが強かったと有名ですが、弟より優しく、弱い者いじめは絶対にしないというのがこだわりだったようです。一方で弟の孔次郎は知力に優れているといわれており、関東連合を罠に嵌めるために六本木赤礼軍団という山口組系の組織を操り、暴れさせました。そして自身は極心連合会極翔会を形だけの破門となって、六本木の事件を起こしたとされています。
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現在、兄の木村泰一郎はなんと万引きで捕まっており、弟の木村孔次郎は現在行方不明となっています。情報がほとんどなく、死亡しているのではないかという説もあります。いずれにせよ、金村剛弘の犯人については正確なことが情報として出ておらず、謎のままとなっています。