金原ひとみさんは、2003年、『蛇にピアス』で作家デビュー、第27回すばる文学賞を受賞。同作で第130回芥川賞を綿矢りさと共に受賞しました。今39歳の金原さんは、「小4で不登校、高校は半年で中退」といった経験から苦痛を直面する方法について語りました。
学生時代を振り返ってみると、「『子どもなのに、子どもが嫌い』でした。周りの子たちが子どもっぽく感じられて、まともに話す気になれなかった。そもそも私は、集団に入るのが苦手で、毎日同じ場所に行って同じ人間と一緒に過ごすのを息苦しく感じていました」と当時の心境を吐露しました。そのため母親との仲までも悪くなり、母親に引きずられ、学校に連れて行かれたことも鮮明に記憶しています。point 244 | 1
学校や家庭には自分の居場所がなかった金原さんは、「スプリットタン」という舌をヘビやトカゲのように二つに裂く身体改造に惹かれ、「じゃあ、小説の主人公にやらせてみよう」という考えをきっかけで執筆し、デビュー作となり芥川賞を受賞した「蛇にピアス」を書きました。
金原さんは、「若い頃の自分にとって、小説は唯一息のできる場所でした。小説は、ただ物語を享受するだけでなく、登場人物や著者と対話したり、コミュニケーションを取ったりすることもできるんです」と、自分にとって現実を生きていくための対症療法を語りました。
ネット上で「みんな頑張っているのに、生きにくいって言葉で、頑張らなくても生きにくいから仕方ないみたいにまとめられてしまうように感じる」「先ずは自分が受け入れ、それを少しでも和らげられるようにごまかすことは、とても大切だと思います」などの声が寄せられています。
【著作権者VONVON /無断コピー、無断転載および再配布禁止(違反時の法的措置)】