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すっかり日本に根づいている姓名判断って何を根拠にしているの?


姓名判断とは、苗字と名前からその人の運命を占うというものです。その源流は中国にあると思われますが、日本では明治時代に発明された後に昭和の始めに爆発的に流行、発展しました。姓名判断は観相と呼ばれた今でいう人相見の一部として始まったようで、その根拠は中国の思想である五行説や陰陽説をベースにしていると考えられます。ただ、その多くは秘伝とされていて、根拠についてうかがい知ることは非常に難しいものとなっています。

姓名判断と五行説の関係について


写真:暮らしラク

姓名判断とは、苗字と名前の文字の画数からその人の運命を占うものです。その画数の数え方は、天格、人格、地格、外格、総格の5つがあり、これらを総合的に判断して占うのです。ここで姓名判断の根拠の手がかりとなるのが、この5種類の判断方法という点です。5つという数は中国の思想である五行説の5と一致します。五行説とは、この世界は5つの要素からなるとする考え方で、五行説は決してオカルト的な思想ではなく、鍼灸や漢方にもその根底思想として流れている科学的な思想です。point 299 | 1

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写真:シェリールママ

一般的には5つの要素とは木、火、水、土、金、とされています。この名称からあたかもこれらの物理的な物質が5要素だと考えがちですが、必ずしもそういう事ではなく、この5つはあくまで5種類の要素の一般名称と考えたほうが当たっています。そう考えると、姓名判断において5格という考え方が採用されたベースにはそれぞれの要素の名称は違っていても、この五行説があったと考えてもあながち間違いではないでしょう。姓名判断と同じく、占いの世界で根強い人気を誇る九星気学や八卦もその要素を5行のそれぞれに対比させる事が出来るのです。姓名判断においては五行との対比を直接的に説明している流派はないようですが、これらの傍証から考えて五行説が根底にあるのは間違いありません。point 381 | 1

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姓名判断と陰陽説の関係について


写真:宮沢みちの幸せ名づけオンライン

五行説と並んで中国の自然科学思想の根幹を成すものとして陰陽説があります。陰陽説とは、全てのものは2つの対立する要素から成るとする考え方です。例えば明るいものと暗いもの、暖かいものと冷たいものなどです。しかしこれらは西洋思想的な2項対立の概念とは若干異なって、陰が極まれば陽となり陽が極まれば陰となるといういわば循環論的性格も帯びています。さて、この陰陽説も姓名判断の源流にあるであろうと考えられる根拠は、やはりその言葉の付け方にあります。この占いの中では、偶数の画数を陰、奇数の画数を陽と呼ぶのです。そしてこの陰と陽の並び具合から人の運命を判断しているのです。
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写真:幸せの花束point 58 | 1

陰陽説においては、陰か陽のどちらかに偏ってもよくないとされています。全ては陰と陽のバランスで決まっていて、バランスがよい事こそが最もよい状態なのです。陰は受動的なものを表していて、陽は能動的なものを表しています。この陰陽はバランスと共にどちらに流れているかも姓名判断においては重要な要素になっています。これら全てが陰陽説をベースにしている事は間違いありません。先に見た五行説とは違って陰陽説についてはその言葉からしても使い方からしても姓名判断では全面的に採用されている事が分かります。このように姓名判断は中国の思想がベースになった占いだといえます。point 332 | 1

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まとめ


写真:ココナラ

姓名判断は日本で独自の進化を遂げた占いの方法ですが、その根底には五行説と陰陽説という中国から伝わった自然哲学の思想があるのです。これらは中国を発祥としていますが、日本でも占いに限らず広く社会生活の中で用いられてきた基本思想であり、今でも知らず知らずのうちに私たちの生活の一部として残っているものなのです。現代になって発展したはずの姓名判断も実はこの東洋思想の先端に位置していて、それを根拠としているのです。point 269 | 1

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