22日、中国国家衛生健康委員会の幹部は、各地で感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について北京で記者会見を行いました。これまでに計440人の発症が確認され、計9人が死亡したことを明らかにしました。
中国政府が発表「変異の危険性」?
新型肺炎について、中国政府が記者会見を開くのは初めてとなります。大規模な感染拡大に歯止めをかけるための予防措置などについて説明。「ウイルスは変異する可能性があり、疫病の発生状況はさらに拡大する危険がある」と指摘しました。
昨年12月から湖北省武漢市で原因不明のウイルス性肺炎の患者が相次ぎ発生。中国当局は新型のコロナウイルスを確認したと初期段階の判定を示し、世界保健機関(WHO)も同様に認定した。初期症状は発熱や咳(せき)が中心。現時点でワクチンはなく、開発には時間がかかるとされています。
春節連休、海外旅行先トップは日本?
ネット旅行代理店中国最大手・携程(シートリップ)がまとめた春節の海外旅行先ランキングでは日本が第1位だったようです。
「ヒトからヒトへの感染」が確認されたことで、帰省や旅行などで大勢の人が移動する24日からの春節(旧正月)連休中に、感染の拡大が避けられない見通しだといいます。
中国国家衛生健康委員会は21日、新型肺炎の国内患者数が同日午前0時(日本時間同1時)までに291人に達したと発表していました。武漢市を含む湖北省で72人増え、同省の累計患者は270人。ほかは北京市5人、上海市2人、広東省14人。
中国国営中央テレビによると、武漢市では新型肺炎で新たに2人が死亡し、死者は計6人となりました。政府の発表後、各省が個別発表した新たな患者数は、浙江省、重慶市、北京市が各5人、上海市4人、広東省3人、天津市2人、河南、山東、四川3省が各1人で、これらを加えた中国本土の患者数は310人を超えた。21日には台湾でも1人の感染が確認されました。
このように現在も患者数は増加が進行している状況であるといえるでしょう。
検疫側の対策及び個人の対策も
「武漢は交通の要となっている都市です。武漢から別の都市(上海や北京など)を経由して日本に入ってくる観光客も多いので、武漢からの便だけ注意していてはダメだと思います。そして、すでに感染者は多くの都市に拡散してしまっていることが予想されます。
自己申告だけであれば、空港に着いたときに熱がない患者は、すり抜けてしまう可能もおおいにあると思いますので、検疫側でしっかりとした対策が必要でしょう。
すでに休暇に入った人も多い中国では、旅行会社などを通じて、SNSでかなりたくさん新型についての注意事項を流していますが、中国人はもともと、日本人ほどマスクをする習慣がないことと、旅行になると、行動はふだんよりもアクティブになるので、心配は募ります」と、ジャーナリストの中島恵さんもコメントされています。
ネット上でも、この記事のコメントにも、
《今からでもいいので、検疫もっと厳しくしてください》
《厚生労働省が能天気で危機感も緊張感もない。自分や家族の健康は自力で守るしかない》
と言った声がよせられていました。とにかく、この時期に 人混みに出たり、空港を利用される方は 注意を怠らないように慎重になっていただきたいと思います。