北陸先端科学技術大学院大学jaistは石川県能美市にある大学院大学です。能美市は金沢市の南に位置する落ち着いた環境の地域です。このようなどちらかというと地方の田舎にある大学を持たない独立した大学院が注目されている理由は、ここで世界最先端の研究が行われているからに外なりません。jaistが抱える一流の講師陣と最先端の設備に惹かれて、国内外から多くの優秀な学生が集まってきています。社会を変える知的イノベーター養成機関としてその評価はますます高まっています。
9つの研究分野でイノベーション人材を養成
写真:石井力重の活動報告
jaistは大学を持たない大学院が独立した組織です。学生は博士課程の前期2年、後期3年に分かれて研究活動を行っています。jaistに入学してくる学生の出身母体は国公立大学3割、私立大学3割、海外3割、そして高専1割となっていて、非常に幅広くかつバランスがよいのが特徴的です。
jaistには9つの研究分野があります。
写真:グローバルエデュ
1100名程度の学生に対して、教員数は約150名となっており、単純比率では教員1人に対して学生10人となっています。しかし、jaistの特徴として、通常は研究室に入って特定の教員から教わるのが大学と大学院の主流の教育方法ですが、ここではコースワークといって、先に上げた9つの研究分野ごとに選択したコース内に所属する学生は、そのコースの複数の教員から指導を受ける手厚い体制になっています。
更にjaistは4学期制を取っていて、短期間で集中して知識を習得することが出来るようになっています。
これら学生にとって魅力的な制度で優秀な人材を集めているのですが、魅力を維持するためには優秀な研究者、教員の確保も重要です。jaistでは研究者一人当たりの研究費は日本でもトップレベルを誇っています。企業からの共同、受託研究も非常に多いのも特筆すべき点であり、実社会との密接な関係を重視する理念を実践しています。
全世界に広がるグローバルな連携の輪
写真:flickr.com
jaistには約1100名の学生が在籍しています。そのうち4割強は海外からの留学生です。
教員を兼ねる研究者も含めると外国人の人数は更に多くなります。これは日本の大学院においては異例な高い割合です。
jaistが日本のみならず世界中から注目されていることがこの外国人の多さから分かります。jaistでは最先端の研究を支えるための機器も多数揃えられています。科学技術分野では設備の進歩は日進月歩であり、最先端機器といえどもすぐに陳腐化してしまいますし、また新型の機器を導入し続けないと研究の最先端にい続ける事は難しいのです。その点、jaistには潤沢な予算が投下されており、世界トップレベルの研究体制を維持し続けているのです。
このような日本においては異色な存在であるjaistの実力は企業にも広く認められており、多くの企業が共同研究のパートナーとして参画しているのをはじめ、
写真:北陸先端科学技術大学院大学
写真:サステナブル・ブランド ジャパン
卒業生の就職先としても世界の一流企業が名を連ねています。
さらにその活動は学内にとどまらず、社会人の教育にも力を入れるために東京サテライトを開設しています。
写真:北陸先端科学技術大学院大学
写真:北陸先端科学技術大学院大学
また、世界30か国117の機関と学術交流協定を結んでおり、
写真:在カナダ日本大使館
世界の有名大学との学生の相互受け入れなども積極的に取り組まれています。
このような環境の中で、日本のみならず世界で通用するグローバルな人材が教育されていくのです。
まとめ
写真:北陸先端科学技術大学院大学
jaistは、北陸の田舎にあって日本の一般的な大学教育の枠からは大きく飛躍した最先端な学問領域を切り開いている異色の存在といえます。その活動は日本のみならず世界の科学技術の最先端を行くものとして注目されています。科学の専門的知識だけでなく高いコミュニケーション能力を持ち研究成果を社会に還元出来る知的にたくましい人材の育成を目標としているjaistの活動は確実に社会に認知されて来ているといえるでしょう。