2000日年に劇場公開されて、興行収入が300億円を超え日本の歴代興行収入の頂点に立っている映画が「千と千尋の神隠し」です。日本で作成された映画でありながらアカデミー賞を受賞するなど海外でも高い評価を得た作品と言えるでしょう。アニメーション作品がアカデミー賞を受賞するのは異例の事であるともいえます。
そんな「千と千尋の神隠し」には、せんとちひろの世界に隠された謎が存在しているといわれています。その謎の内容や、謎がなぜ存在しているのかなどについて、詳しくご紹介したいと思います。
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◼︎せんとちひろの世界は風俗産業ではないかという謎
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せんとちひろの世界に隠された謎としてまず一つ目に挙げられるのが、実はせんとちひろの世界は風俗産業をモチーフにしているのではないかということです。「千と千尋の神隠し」は非常に不思議な物語であり、多くの謎を残したままエンディングを迎えるという結末となっています。最初に別の世界へと入りこんだ主人公の千尋が、神様たちが集う銭湯で働くこととなりますが、湯屋で働く際に名前を一文字とって千と名づけられました。この一文字とった名前は源氏名を表していて、実際に江戸時代に風俗の世界で働いていた女性は源氏名を付けられていたということです。
そして物語の序盤で、実は主人公の千尋は命の危機にさらされていたのではないかとも言われています。物語の序盤で千尋の家族が引越し先に向かい車を走らせている際に、道に迷ったせいか山の中へと入り込んでしまいます。父親は車でものすごいスピードを出し、別の世界へとつながるトンネルにたどりつきますが、この時に交通事故を起こして家族は命の危機にさらされた状態になったのではないかと推測されているのです。別の世界に行くためには命の危機の状態もしくは亡くなった者でなければならないと考えられるので、家族はその状態にならなければならず、この場面では猛スピードで走る車の描写がやけに生々しく、視聴者に語りかけている場面と言えます。
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◼︎登場人物も謎に包まれています
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物語の中盤に差し掛かると雰囲気が大きく変わり、物語で重要な役割をもつカオナシと一緒に千尋は電車へと乗り込みます。その車内にいる人は黒っぽく半透明で不気味な雰囲気が漂っていますが、どうしてこのような容姿をしているのだろうという謎が残されています。この謎の答えとしては半透明で黒い人物は生きる希望を失っている人と考えられています。途中に駅があるのは、生きる希望を失いながらもそれを思いとどまった人が降りるために用意された駅だと言われています。千尋が乗った電車は往復ではなく、片道しかないということもうなずけるでしょう。
そして主人公の千尋が訪れた別の世界では、よく見ると春夏秋冬が入り混ざっていることがわかります。様々な場面に出てくる花を見るとそれは一目瞭然であり、現実には一緒に咲くことのないアジサイやツバキ、梅、ツツジなどが同時に咲き誇っているのです。なぜせんとちひろの世界には四季がないのだろうという謎がありますが、実は物語で明かされているわけではありませんが、この町は死後の世界であると考えられています。死後の世界は四季など一切関係なく、春夏秋冬の四季は一切無視できる環境といえるでしょう。
最後に物語の終盤でハクが千尋に振り向いてはいけないと強く忠告しますが、この言葉にも謎が残されています。不思議な町につながるトンネルの手前にはだるまの石像が立っていますが、このことから振り向くとだるまになってしまうという言い伝えが残されています。
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◼︎まとめ
このようにせんとちひろの世界にはさまざまな謎が存在しているということがわかります。「千と千尋の神隠し」自体が非常に不思議なお話で、現実には感じられないような雰囲気を醸し出しています。「千と千尋の神隠し」は大ヒットを記録した映画として現在でも人気がありますが、このような大ヒットを記録した裏には、綿密に考え構成されたストーリーが隠されていることがわかるでしょう。このような謎を頭に入れながらもう一度作品を楽しんでみることで、また違った見方ができることでしょう。