新型コロナウイルス事態の余波で2020年東京オリンピックの延期が確定されたと米国の全国紙USAトゥデイが本日24日に報道しました。
同紙によると、IOC(国際オリンピック委員会)のディックポンド委員は記者との電話インタビューに対し、「IOCが保有している情報に基づいて延期決定を下した」と述べています。彼は「具体的な内容はまだ決まっていない」としながらも 「私が知る限りでは(当初予定されていた)7月24日に五輪は開幕しない」と明らかにしました。point 214 | 1
ポンド委員は「IOCがすぐに次の手順を段階的に発表する」とし「私たちは、巨大な決定を下し、これに伴う波紋を扱い始める」と付け加えました。
ディックポンド委員は、1978年にIOC委員になった後の執行委員、副委員長などを長くオリンピックに携わっているベテラン。
先にドナルド・トランプ米国大統領は東京オリンピックの延期かどうかについて、安倍首相が正しい判断をするだろうと、オリンピック延期について圧迫していました。
トランプ大統領は、自身のツイッターに「私たちは、安倍首相の決定に従う」と投稿しています。それとともに「安倍首相は、米国の偉大な友人であり、オリンピック競技場にも優れた業績を残した」と褒め称えました。
We will be guided by the wishes of Prime Minister Abe of Japan, a great friend of the United States and a man who has done a magnificent job on the Olympic Venue, as to attending the Olympic Games in Japan. He will make the proper decision!
ADVERTISEMENT — Donald J. Trump (@realDonaldTrump) March 23, 2020
12日トランプ大統領は、記者たちと会い、「主催側は東京オリンピックを1年延期することができる。競技場を観客なしでガラガラ空よりはましだ」とオリンピックの延期を促しました。トランプ大統領は、「私はオリンピックで観客がない姿を想像することができない」とも述べています。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長(82)と武藤事務総長(76)が23日、東京 晴海で会見を開きました。
国際オリンピック委員会(IOC)が大会の延期を含めた検討に入ると発表したことを受け、森会長は「(通常開催に向けて)私どもは歩んで参りましたが、今日の状況を見ると、国際情勢は変化して、まだ予断を許さない。欧州や米国など異常な事態になっている地域もある。いろんな(延期や中止を求める)声があるのに『最初の通り、やるんだ』というほど我々は愚かではない」と延期検討を認めました。
新型コロナウイルスの感染拡大について「大変ご心配をお掛けしている。各方面から、いろんなご意見をいただいていた中、昨晩、IOC バッハ会長、コーツ調整委員長らとテレビ会議を行った。こちらからは私と武藤事務総長が一緒に参加した。急に昨晩あの時間になった理由は、日本時間の午後10時からIOCの臨時理事会が開かれ、東京2020への対応を相談したいとのことだった。その前に我々も意見の一致を見ておく必要があったということ。結果、次のことで合意を見た」と説明しました。point 285 | 1
「中止は一切、議論しない。中止はあり得ない」
「日本とIOCの代表者が議論する。双方で考え方をまとめ上げていく。最初から延期、ではないが、延期の議論を避けるわけにはいかない。延長の議論をしないわけにはいかない」
「シナリオについて精査したい。約4週間で作り上げたい」
これを受けて森会長は「昨夜、東京都と国、小池知事と安倍総理、橋本大臣、萩生田大臣、遠藤会長代行、山下JOC(日本オリンピック委員会)会長に、それぞれ連絡した」といのこと。
また、延期になった場合の期間について「2021年か2022年、どちらが好ましいか」このような質問が飛ぶと、森会長は「第一は2020。今の段階ではそう答えるだけ」とし、2020年内の延期も含めて再び質問されると、武藤総長が「もし延期になった場合でも、延期の幅についてはイエスともノーとも言えない」と時期への言及を避けました。point 215 | 1
「なぜ検討に4週間も必要なのか。世界中のアスリートは一刻も早い決定を待っている」という質問には、「4週間についてはバッハさんにお聞きください」とし「何から始めるのか。その前に1カ月延ばすのか、3カ月延ばすのか、5カ月延ばすのか、シミュレーションする必要がある。そこからやらないと。会場の確保が第1の問題で、第2の問題は経費。むしろ4週間という時間で33競技にパラ(22競技)も加えた調整を1つ1つ、やっていく必要がある。考えただけでも大変な時間が必要。ただ、長々やっても仕方ない」と難しさを口に。point 248 | 1
聖火リレーについては26日のグランドスタートまで「あと3日かけて実施方法を検討する。26日は、私が必ず福島へ参ります」と森会長は約束し、武藤事務総長は「聖火リレーの中止は全く考えていない」としています。聖火リレー開催中に4週間が経過し、延期となった場合は「慎重に検討し、合理的な判断をしたい」と武藤事務総長が補足しました。point 221 | 1
また、集会や大規模イベント自粛を要請している安倍首相が、予定しているグランドスタート出席を、立場的に迷っていることを森会長に相談していたことも明かしています。
そして、安倍首相は24日、参議院予算委員会で「オリンピックを「完全な形」で支払うことができない場合は、東京オリンピックを演じることもオプションの一つになるだろう」と初めての延期の可能性を認めました。
また、カナダとオーストラリアは、新型コロナウイルスによる自国選手たちの被害を配慮し、東京オリンピック不参加を宣言しています。