「禁煙しました!」という人の話を聞いてみると、実は従来の紙巻タバコから新型タバコに切り替えただけで、喫煙の習慣は続いていることがよくあります。
新型タバコには「加熱式タバコ」と「電子タバコ」の2種類があり、加熱式タバコとは、タバコの葉を加工したものに熱を加えてエアロゾル(霧状の粒子)を発生させ、その中に含まれるニコチンを吸うための製品です。
タバコの葉に直接火をつけないため煙が出ないこと、また、髪や衣服ににおいがつきにくいことから、紙巻タバコから加熱式タバコに切り替える人も目立ちます。
形や機能は違っても、加熱式タバコの中身は紙巻タバコと同じ「タバコの葉」なので、れっきとした「タバコ」です。タバコに関する法律であるたばこ事業法でも「タバコ製品」として定められています。
では、電子タバコとは、「リキッド」と呼ばれる液体を加熱して、その蒸気を吸うための製品です。リキッドの主な成分は、プロピレングリコールと植物性グリセリンで、どちらも食品添加物として広く使用されている物質です。
日本国内で販売されている電子タバコは、たばこ事業法では「たばこ類似製品」と定められ、法律上はタバコではありません。そのため未成年者への販売も可能ですが、業界団体が自主規制しているため、20歳以上の人にしか販売されません。
新型タバコが健康にどのような影響を与えるのか、まだわかっていない部分もあります。しかし一方で、新型タバコの存在によって、喫煙者が増えたというケースもわかっているそうです。
最近、あるオンラインコミュニティ上では、「電子タバコと通常のタバコ」を一緒に吸っていると、喫煙行動が最も有害であるとの指摘がされています。
タバコに詳しい海外の専門家は、「電子タバコ、通常のタバコ、複合喫煙と体内炎症や酸化ストレスとの関連性」に関する研究論文を発表しました。
これらの資料をもとに5191人の成人を喫煙パターンに基づいて区分し、これらのニコチンの指標と酸化ストレスの指標を比較分析しました。
その結果、通常のタバコと電子タバコを一緒に使用するとき、複合喫煙者が通常のタバコや電子タバコ喫煙者よりも、体内の炎症と酸化ストレス指数がより悪いことが確認されたというのです。
専門家は、「電子タバコユーザーの83%が通常のタバコと両方を使用する複合喫煙あることが確認された」とし「複合喫煙時に既存喫煙量を維持したまま、さらに電子タバコを使用する傾向が高く、ニコチンおよび他の有害物質により過剰露出されるものとみられる」と述べました。
続いて「今回の研究では、ニコチン、炎症、酸化ストレスの指標が最も高い複合喫煙が通常のタバコや電子タバコの単独喫煙よりも有害であると証明されたため、電子タバコの使用のために適切な禁煙教育や複合喫煙の危険に対する警戒心を持つ必要がある」と助言しています。
電子タバコにはニコチンをはじめとする有害物質が含まれていることは事実ですし、同時に吸うと体に大きな悪影響を及ぼすそうなので、この健康被害を知った上で禁煙、もしくは二つの内一つのみに減らしたほうがいいですね。
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