ついに上場以来の初の営業赤字となった立ち食いステーキ店「いきなり!ステーキ」。運営元のペッパーフードサービスは11月14日、2019年12月期の業績予想(連結)の下方修正を発表しました。不調から抜け出せずにいる理由には、他社参入による客の奪い合いや、人件費や材料費の高騰に伴う値上げなどが挙げられますが、実際のところ、ユーザー達はどう感じているのでしょうか。
30代男性会社員・Aさんは、2年前の「いきなり!ステーキ」が全盛期だった頃、週2回のペースで通っていたといいますが、最近は全く行かなくなってしまったそうです。「今思えば、その頃は肉ブームでどこも“肉、肉、肉”ばかり。糖質制限ブームもそれに拍車をかけていた印象でした。でも今やファミレスや居酒屋など、極端な話どこでもステーキが食べられるようになりました。私もいろんなところでステーキを食べるのを楽しんでいた時期がありましたが、結局はステーキ自体に飽きた感じです」(Aさん)point 291 | 1
また、20代男性会社員・Bさんは、同店の値上げを機に牛丼屋にシフトしたそうです。「ここ数年で何度か行われている値上げが痛かったですね。もちろん、2000~3000円くらい出して、リブロースやヒレなど高い肉を食べれば当然おいしいです。でも、それなら僕は焼肉屋に行きたくなってしまう。安く肉を食べたいなら吉野家で700円台の超特盛牛丼、松屋で600円台のブラウンソースハンバーグの方が安くて満足度が高い。いきなり!ステーキで、一瞬ステーキが気軽に食べられるものになった気がしたけど、まだまだ高いし、頻繁に食べるならやはり牛丼という現実に気づいてしまった……みたいな感じです」(Bさん)point 346 | 1
「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは当初、2019 年12月期の通期業績を売上高764億円、営業利益20億円と見込んでいましたが、11月14日、売上高665億円、営業利益マイナス7億3000万円と赤字となり、大幅に修正しています。前期もニューヨークでの退店による減損を計上しているため、2期連続で最終赤字となってしましました。この発表により、1株1600円台で推移していた株価は1400円前後まで下落となりました。point 277 | 1
その理由について、外食チェーン関係者はこう語ります。「オープン当初は立ち食いスタイルで客の回転率を上げて、60%といわれる高い原価率をカバーし収益を上げていました。しかし、都市部だけでなく、地方のロードサイドやニューヨークでも同じスタイルで出店しましたが、それが受け入れられず店者数はじわじわと減っていきました。テコ入れとしてカレーや牡蠣などの新メニューを出したり、接待やファミリーで利用できるようにテーブル席を増やしたりもしていますが、どれもうまくいっておらず迷走しています」point 298 | 1
同社は業績不振の理由として、いきなり!ステーキの店舗拡大に伴い、自社店舗同士の競合などの影響があるとしています。今期が正念場となる「いきなり!ステーキ」は、立ち食い方式からの転換や不採算店舗の撤退など、様々な施策を打ち出しています。しかし、ネット上では「客離れはランチで1000円以上だから、単に高くてリピートがなくなっただけでしょ。」「安いとは言えない、旨いとは言えない、雰囲気落ち着かない、店員の態度良くない・・・衰退していく要素、沢山あると思います。」「値上げで価格が高くなったことと、価格がよく変動したことで価格に対する安心感を損ねたことが大きい」などの厳しい意見が寄せられていて、多くの共感を呼んでいます。point 367 | 1