『できちゃった婚』
『でき婚』
『授かり婚』
結婚する前に子どもができれば、よくこのような表現をします。
近年、有名人達も”できちゃった婚””授かり婚”が増え、世間も結婚前の妊娠に寛容になってきました。
しかし、子どもが出来て喜ぶ人がいる一方、思わぬ子どもの授かりに困惑する人がいるのも事実です。
2019年10月、岩手県では19歳の少女が自宅のトイレで男児を出産後、窓の外に投げ捨てたとして殺〇容疑で逮〇されました。少女が長時間トイレから出てこないことに異変を感じた家族が消防に通報し、事態が発覚。少女に夫がいたかどうかについては、県警は「少女の特定につながる」として明らかにしていませんが、この少女は妊娠中一人で苦しんで、苦しんで男児を出産し、挙句の果てに自分の子どもを殺〇してしまいました。
子どもの父親であれば、このような事件になる前に対処できなかったのか。また、少女一人だけが罪を償い、この父親は全く裁かれないのか。疑問が残るばかりです。
この類のニュースは年に数回報道されます。それほど多いのです。
日本家族計画協会の調査によると、日本で使われる避妊法は男性が付けるコンドームが8割を占めるそうです。女性側の取れる手立ては、低用量ピルなど極めて限られるのが実情で、それにもかかわらず多くの場合、予期せぬ妊娠に伴う男性の「ペナルティ」は女性に比べて非常に軽いといいます。
また、日本の学校の性教育は極めて不十分で、避妊やアフターピルなど、必要な知識が伝わっているとは言いがたい状況です。性に関する正しい知識の普及啓発を目指すNPO法人ピルコンが2016年、高校生約4000人に対して実施した調査によると、「避妊に失敗した時、72時間以内に使える緊急避妊薬(アフターピル)がある」ことを知っていた高校生は約2割、腟外〇精が有効な避妊法ではないと知っていた高校生は35%にすぎなかったとの結果が発表されています。
厚生労働省が2019年8月に発表した虐〇の検証結果によると、2018年3月までの1年間で、出産直後に虐〇死した子どもの数は、把握しているだけで14人に上るといいます。検証結果の報告書によると、外出先で出産し、遺〇を放置した10代の母親は「赤ちゃんを助けたい気持ちより、誰にも知られたくない気持ちの方が強かった」と話したといいます。
報告書には、親が未成年で、予期せぬ妊娠によって産まれた子どもたちは、その後虐〇されるリスクが高まるとの指摘もあります。
近年、文部科学省は公立高校に対し、妊娠した女子生徒を安易に退学処分にしたり、退学を勧めたりしないよう求めています。しかし、同省の調査によると、公立高校で2015~16年度に妊娠が発覚した生徒約2100人のうち、30%が「本人または保護者の意思」で自主退学しているとのことです。通学を続けたくとも、教師に嫌味を言われたり転学を勧められたりして、自ら退学、転学を選ばざるを得ない女子高生も多いとみられています。女性がこのような状況に陥っても、男性は学校に残り卒業するケースが多いようです。男女平等とまでは難しいでしょうが、できるだけ女性の負担にならないような世の中作り、また、男性の”性”に対する認識を変えていく必要があります。