北野武監督といえば国内のみならず海外でも高い評価を受ける日本を代表する映画監督の一人となりました。最近ではアウトレイジシリーズの大ヒットもあり、幅広い世代にも人気が出ています。
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北野武さんの作品について
そんな北野武監督は言わずと知れたお笑い芸人のビートたけしと同一人物ですが、映画を監督する際には「北野武」と使い分、主演「ビートたけし」とするのが恒例となっています。
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そんな北野武監督が4作目に制作したのがソナチネです。第17回日本アカデミー最優秀音楽賞を受賞するなど高い評価を受けた作品ですが「凶暴な男、ここに眠る。」をキャッチコピーにした北野作品らしいバイオレンスを感じるストーリーとなっています。ストーリーは沖縄を舞台として暴力団同士の抗争を描いたものですが、静寂のなかに突如として現れる狂気的な暴力に、見ているものが引き込まれてしまう独特の世界観が特徴です。
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北野監督自身もソナチネが一番思い入れの深い作品と語っており、アウトレイジにも続く暴力的でありながらも男の美学を感じる名作として愛されています。特に全編に渡り狂気的な空気が流れ純粋にバイオレンス要素をこれでもかと取り入れたファン一押しの作品として有名です。音楽に久石譲が参加していることで、素晴らしい音楽ばかり評価されていると感じた北野監督は後に久石譲を使わなくなったと言わしめるほど。
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印象的な楽曲は、ミニマル・ミュージックの手法を存分に使い、舞台である沖縄民謡を取り入れるなど、様々な手法が取り入れられていることも特徴です。久石譲自体はソナチネの音楽が自身が手掛けた北野映画の中でも最も気に入っていると発言していることもあり、いつかまたタッグを組んで映画を制作してほしいと思っているファンも多いのではないでしょうか。
国際的な反応は?
海外では1994年にロンドン映画祭やカンヌ映画祭で上映されると、欧州を中心に北野映画ファンを生み出すきっかけとなりました。
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「キタニスト」と呼ばれる熱狂的なファンが世界中に誕生し、イギリスBBCの「21世紀に残したい映画100本」にも選出されました。今や黒澤明や小津安二郎と並んで、世界的に有名な監督になったきっかけともいえるのがソナチネなのです。クエンティン・タランティーノもこの作品のファンで、みずからアメリカ公開に携わったといわれています。北野映画を語る上で外せない傑作といわれているソナチネをまだ見ていないという方は、死ぬ前に必ず見るようにしてください。point 219 | 1