今度はいつ起こる!?恐怖の大地震!
一年に約2千回以上の有感地震が起きる地震大国の日本。
こんなに地震が多く起きるのであれば、地震が起きやすい時期も把握できるのではないかと思いますよね。
ネットでは「大地震は冬季に多い」とする説も囁かれていますが、これは事実なのでしょうか?
大地震に季節による変動がある!?
気象庁海洋課の岡田正実氏が1981年に発表した「日本付近の大地震発生の季節変動と地域性」と題する論文。
この論文は、日本で発生する大地震に季節による変動があるかどうか、1884年以降の被害地震(M7.5以上)と浅発地震の発生月を集計・分析したものです。
岡田氏の調査では、国内を千島沖(K)、親潮域(A、北海道~宮城県付近の太平洋)、黒潮域(B、宮城県以南~九州の太平洋沖)、冬季に積雪や凍結が多い地域(S)、その他の本州内陸(I)に分けて分析しています。
まず、海上が震源となったM7.5以上の大地震については、以下のような傾向が見られました。
千島沖(K):4回すべてが8~11月。
・ 親潮域(A):14回中10回が3~5月、11回が春~夏に集中。
・ 黒潮域(B):24回中19回が8~12月(11~12月が最多)。
また、内陸部ではM7.5以上の地震が非常に少ないため、「M7.0以上」と下限値を下げて集計されました。
その結果、以下のような傾向が見られています。
・ 冬季に積雪や凍結が多い地域(S):春から夏に集中。
・ その他の本州内陸(I):6~9月に集中。
「日本で起きる大地震」といっても、地域別に見ると発生する季節に偏りが見られますね。
海溝型の大地震は、黒潮(日本海流)や親潮(千島海流)に影響されているのかもしれません。
南海トラフ巨大地震
現在もっとも発生が懸念され、壊滅的な被害が予想されている「南海トラフ巨大地震」の震源となるエリアは、岡田氏の分類上ではこの黒潮域(B)に含まれています。
発生日が記録されている過去の南海トラフ大地震は、すべて7~12月に起きており、岡田氏の分析結果と矛盾しません。特に、直近4回はすべて12月に起きているが、同研究でも黒潮域(B)の大地震は11~12月が最多と示されています。
また、南海トラフ巨大地震は、黒潮の大蛇行期間中にはまったく発生していないことが判明しています。
この点について岡田氏は、黒潮の大蛇行が消滅した直後に関連地域で大地震が起きる傾向があり、関東大震災(1923年)や昭和東南海地震(1944年)も、その一例だと指摘していました。
そして現在、まさにその大蛇行が発生中。つまり、黒潮の大蛇行が11~12月に終了した場合、その直後こそ南海トラフ巨大地震に最大限注意すべきタイミングということになるでしょう。
「親潮域」では、8月に大地震が起きやすい
季節によって大雨や台風の襲来に増減があるように、大地震の発生時期にも偏りがあるかもしれません。
このことを頭の片隅にとどめておくだけでも、注意することができます。
日頃から、災害に備えておきましょう。