ライフスタイルを変えるだけで、老化によって縮む身長をキープできるかもしれないという研究結果が米国で発表されました。この研究により、都会人は農村人に比べて老化に伴う身長の縮み方がはるかに少ないこと、学歴によっても大きな差があることがわかりました。
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今回の研究は、中国全土の150地域からランダムに集めた1万8千人近い中国人を対象にした大規模なものです。調査では手足の長さが年をとってもあまり縮まないことを利用して参加者の生涯最大身長を推定し、現在の身長と比較しています。研究チームは、「健康と現在の身長の関係だけを調べていたとしたら、今回の重要な洞察には行き着けなかったに違いない」とし、「子供のころの生活習慣だけでなく、成長後のライフスタイルが、特に身長低下には大きく影響するということです」と語りました。加齢に伴う身長の低下は、他の健康問題を示唆する重要な指標になるそうで、例えば身長低下と認知能力にはきわめて強い関連性がみられ、縮み方の激しい者ほど短期記憶や四則演算、今日の日付をすぐに言えるといった頭の働きが低下している傾向がみられるというのです。
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研究過程の中で明らかになったのは、社会経済的な因子も身長低下に関連しており、都市部住民のほうが農村部に比べてはるかに身長低下が少なかったようです。これは中国ではこの数十年の間に富裕層が農村部から都市部へ大量に移動したためと思われます。男性全体の平均では3.
3センチの身長低下がみられたが、小学校修了者は中退者に比べて背の縮み方が平均0.
9センチ少なかったことも明らかになりました。高校修了者であれば、さらに1センチ少なく、女性でも平均3. 8センチの身長低下がみられたが、小学校修了者は0.6センチ少なかったそうです。
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研究者は、「身長には、子供時代の生活環境や栄養状態が反映すると考えられていますが、身長低下にはもっと別の因子が作用するようです」と語り、人間はすべからく年をとり、お腹に脂肪が溜まり、骨密度は低下するため、関節炎や骨粗しょう症、さらには食事や運動習慣、喫煙などのライフスタイルも身長の低下には影響を与えると指摘しています。
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