世界で最も孤立した国といわれている北朝鮮。以前韓国、アメリカと首脳会談を行ったものの、再びミサイルを製造しているなどと、相変わらずニュースを騒がせる北朝鮮ですが、脱北者によれば、貧しい人達が生活するのもやっとで、お風呂も年に1回しか入ることができないといわれています。このような状況から逃れようと、過去10年間で脱北しようとした人は、2万人以上にものぼります。脱北がバレると強制収容所送りになってしまい、そこで人生を終えることに。今回は、そんな北朝鮮から脱出する方法を紹介していきます。
軍事境界線を越える
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北朝鮮と韓国の国境は「軍事境界線」と呼ばれており、南北の両サイドで兵隊が警戒にあたっており、世界の中でも最も武装された国境といわれています。そのため当然ながら一般市民が近づけるわけもなく、ここを抜けるのは、最も危険な脱出方法。しかし、それでも脱出に成功した事例もあります。それは北朝鮮の兵士。ここを通るのは最も最短の脱北方法ですが、リスクが高いのは言うまでもありません。ただ兵士は境界線の細かい状況を知っているため脱北に成功したわけで、一般市民がマネできる技ではありませんね。
ゴビ砂漠
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基本的に警備の厳しい韓国以外で、歩いて脱北しようという場合は、中国を超えて、モンゴル、タイ、ラオス、ミャンマーのいずれかに行くしか方法がありません。その中で一番最短距離なのが、ゴビ砂漠を通ってモンゴルへと逃げるルート。まずは中国へと繋がる川を慎重に越えて中国へ行く必要があります。このルートを仲介する仲介人もいるようですが、その場合、これを利用し、人身売買の標的にされる場合も多いようなので、非常にリスク極まりない方法でもあります。逆らってしまうと、北朝鮮へ送還されてしまうため、この場合従うしかありません。無事に中国に渡ることに成功すると、次はゴビ砂漠を越えます。ゴビ砂漠は真冬はマイナス30度にもなりますが、あえて警備の薄い真冬に渡ることが得策。歩き続ければ4日でモンゴルへと脱北できます。
海を越える
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次に海を越える方法があります。過去40年の間に、ボートで韓国への亡命を試みた人達が多く存在します。韓国政府は、北朝鮮からの脱北者を自国民と見なし、広く受け入れているため、お隣の韓国へボートで着陸できれば脱北成功です。しかし、北方限界線には、警備艇が集中し、鬼のような警備が続けられています。そのため、ボートで行く場合、韓国以外に日本と中国へ行く、という選択肢もあります。日本の場合は警備は薄いものの、波の荒い日本海を越えなければなりません。中国は先ほども紹介した通り、バレれば北朝鮮に送還されてしまうというリスクがあるため、海を越えて脱北する優先順位は韓国→日本→中国という順番になるそうです。
収容所からの脱出
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次の方法は、ロシアに行く方法です。強制収容所の人々は極めて過酷な労働環境の下で生活をしています。しかし、脱獄するチャンスもあります。北朝鮮は、労働者をロシアへと送り込んでいます。たいていの場合は、ロシア人がやりたがらないような過酷な材木切り出し作業を行うのですが、ここで働くよう選ばれた人々は、ロシア極東の田舎の地域に住み、そこで働きます。もちろん、収入のほとんどは北朝鮮にいくため、手元にはほとんど残りません。また何年もの労働契約がついてくるのが普通です。しかし、ここに来れば、何もかも忘れて脱走することもできるかもしれません。
地下鉄を抜ける
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ゴビ砂漠を越える自信がない場合は、タイに行くのが一番安全な選択肢といえます。タイ政府は脱北者を安全に暮らせるよう、なんと韓国へと送り届けてくれるのだそうです。そのため、タイに無事に行くことができれば、韓国へ行ったようなものです。タイに行くためには中国を経由しなければならないのですが、その道のりはかなりハード。頻繁に警察がバスや電車を止め、パスポートやIDチェックを行うため、いつ何時警察に捕まってしまうかも分かりません。そのため、多くの場合、地下鉄を歩いて移動します。運良く地下鉄の最終地点まで来たとしても、タイに行くためには、ラオスを経由する必要があります。ラオスは中国と同じように、脱北者に対して友好的ではありません。そのため、国境検閲所の近くを通るのは非常に危険なため、ここを迂回してメコン川沿いの北東部からラオスを抜けます。そうすることで、比較的安全なタイへ到着できます。
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