黒田博樹とは、2016年にプロ野球選手として、現役引退を発表した広島東洋カープの投手です。彼は、広島に2007年まで在籍した後に2008年から2014年までメジャーリーグで活躍していました。そして、2015年の契約においてメジャーリーグの破格の待遇を断ってまで、お世話になった広島への復帰を選んだ男気は素晴らしいものがあります。そして広島は黒田博樹の貢献もあり2016年に、25年ぶりに悲願のリーグ優勝を飾りました。そして、そのチームで彼は若手の精神的な柱としての信頼や存在感は絶大なものがあったのです。
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まず、彼がメジャーから広島に帰ってきてからチームの中には早い段階で影響が出ていました。これは春のキャンプの際に、メジャーから帰ってきた経験豊富な黒田がブルペンで投げるので、他の選手がそれを食い入るように見つめていました。そして、「どういう意識で投げているのか」「どうやったらうまく投げられるようになるか」などを積極的に聞く者もいました。実績を積み上げている偉大なピッチャーから何かを吸収できれば、という意識が若手の選手の中で表れるようになり向上心が見られるようになりました。
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そして、彼は練習を開始する時は、何時間も前に球場に入って体のケアを入念に行っています。それを見習って若手の選手もかなり早く入るようになったのです。さらに、若手の選手が自主的に個人練習なども積極的に行うようになりました。本当に意識の高いチームとなったのです。また、若手投手は、黒田が先発ローテーションに入ることによって枠が減ってしまうことを危惧し、今までより一層真剣に練習に取り組む姿もありました。このように、カープのキャンプは、いつもの年よりはるかに活気づいていたのです。
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そして、それに応えるように黒田もチームメイトに色々アドバイスをしていました。まず、試合前の準備の重要性、試合への入り方や気持ちの切り替え方など野球の試合における大切な姿勢を教えています。また、彼はベテランだからといって気取ったりすることはありません。新人の選手などにも積極的に話しかけコミュ二ケーションをとったりしています。年齢やポジションにかかわらず野球選手として重要なことを説いています。
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こうして、野球における精神的な部分や技術な部分などのアドバイスをもらったという若手は多くいます。例えば、野村祐輔投手は2年間の間、数多くのアドバイスを黒田から色々と教えられたそうです。これにより、彼は気持ちが楽になったと語っています。そのおかげか、野村投手は2016年に16勝を挙げることができ最多勝のタイトルを獲得することが出来ました。
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また他にも、練習後の食事の時間などを利用して、大リーグの中継を見ながら黒田がその試合の解説を行いました。こうすることで、間接的に彼の経験豊富な技術論をチームメイトに伝えようと試みています。彼はこのように、過去の栄光や、実績にあぐらをかきません。今チームに必要な役割や任務に全力を尽くしていくという姿に対してまわりが感化していくのです。黒田という人物の存在は、チームの上に立つ人がチームをまとめあげることの大切さを示してくれています。
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このように、黒田を筆頭とするベテランが引っ張りと若手がそれに負けじと対抗する力を出すことで、切磋琢磨しチーム内で相乗効果が生まれました。そうすることで広島東洋カープは強力な勢いになっていきました。そして、2016年にはリーグ優勝を果たします。この優勝は黒田がいなかったらできなかったでしょう。さらに、若手に与えた影響も計り知れません。それくらい黒田博樹はチームの精神的柱となっていたのです。