2003年12月から韓国で放送され、日本では2004年10月から2005年4月にかけて最初の放送があった「天国の階段」は、10年以上も前の作品でありながら、今も韓流ドラマファンの間で語り草となっているほどの伝説的ドラマです。継子いじめや交通事故、記憶喪失や略奪愛、三角関係など、韓国ドラマの魅惑要素てんこ盛りといった面はもちろん、クォン・サンウの颯爽としたイケメン御曹司ぶりや、涙の女王チェ・ジウの真骨頂のようなはまり役ぶり、その敵役を憎々しく演じながらもキュートな美貌が目立つユリを演じたキム・テヒなど、視聴者を惹きつける要素に満ち満ちたドラマです。
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ユリの実母であり、チェ・ジウが演じたヒロイン・チョンソをいじめ抜き陥れる恐ろしい継母を演じたイ・フィヒャンの迫力もドラマを盛り上げる大事なポイントです。そして「天国の階段」の真の主役とも言えるのが、チョンソの義理の兄テファを演じたシン・ヒョンジュンの濃過ぎる熱演ぶりこそが、このドラマを伝説に仕立て上げている面があり、彼の登場シーンは全編にわたって見逃せないものとなっています。
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それぞれ役柄にピッタリの俳優陣、濃厚で緻密な設定やストーリーを持ったドラマだけに、見どころは数限りなく、全話全シーン見逃せない面白さに満ちています。最終回まで見終えて、初回冒頭に戻ってみると、ドラマのテーマがより際立つという巧妙な構成にもなっており、「天国の階段」がいかに長年にわたってファンの心に残り続けるがわかる仕掛けにもなっています。
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クォン・サンウ演じるソンジュが、チョンソにとって最愛の人なのですが、そのチョンソにひたむきな熱愛を捧げる義兄テファの、思い余っての純情暴走ぶりに、次第に肩入れしたい気持ちが高まる辺りでも、俳優陣のしのぎを削る演技合戦の雰囲気が伝わり、名シーンが数々生み出されるドラマになっています。
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韓国ドラマは小役時代が長い作品も少なくありませんが、「天国の階段」もその一つで小役回での名シーンも多数あります。とりわけ日本で、韓国ではバースデーケーキより大事な「誕生日のわかめスープ」を知らしめた、テファがチョンソから誕生日にわかめスープを作ってもらい感激する場面は、その後、大人になってからの場面でも何度もテファが「わかめスープ」と繰り返すこともあって、「天国の階段」の代名詞的なモチーフにもなっています。point 271 | 1
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冷静になって考えた場合、ドラマの構成としてはチョンソの最愛のソンジュとの純愛が、壮絶過ぎる障害の数々によって、なかなか成就できないという切なく悲しいドラマということで、テファはある意味その障害の一つなのですが、「天国の階段」の美味しいところを全部持って行く役といっても過言ではなく、その存在感によって、このドラマをただの恋愛物で終わらせていない面があります。終盤、テファがチョンソに捧げる究極の無償の愛は、このドラマの感動どころのすべてといった様相を見せ、まさに伝説の必見シーンとなっています。point 308 | 1