そのさまざまな意見は当然、ツイート主の元へも多く届いたわけだが、探っていくと、そのツイートには140文字のつぶやきには収まりきらない父親としての思いが込められていた。「普段から、ツイッターや自身のnoteに親子関係や教育に関することを書いていていたんです。今回もそのうちの何気ないひとつのつもりでした」とは、ツイート主のこゆるぎ岬さん。次第にツイートは一人歩きしていき、炎上、そして中にはひどい誹謗中傷をしてくる人もいたそうです。今回の一連の騒動について、本人に話を伺いました。point 299 | 1

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ダイヤモンド・オンライン

――GUCCIのツイートに大きな反響がありました。つぶやきによると、娘さんのおねだりを断ったとのことですが、そこにはどんな思いがあったのでしょうか。

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「私は高校1年生にハイブランドの財布を無条件に買い与えるということはしたくありませんでした。お財布を買ってあげることはできますが、生まれや育ちが上層でもない私は、イチ社会人として、親として、“身の丈にそぐわない高い物品を簡単に手に入れる”ことで金銭感覚・消費感覚が崩壊することを危惧しています。それに、子どもの人生を長い目で見たとき、そのリスクは軽くないと思うんです。

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ただ、なんでもかんでも買わないというわけではありません。子どもの習い事、学習塾など子育てには高額な費用がかかりますが、そういうことには必要十分な支出をしています」

――中には「お財布くらい買ってあげてもいいのでは?」という意見もありました。

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「これはこの財布ひとつの話ではないと思っています。

 欲しいものを安易に与える前に、労働の対価として受け取る賃金とそれに見合った消費感覚、労働の大変さというものを十分に理解させておきたい

ごく普通の庶民として社会を生きていくうえで、賃金労働で6万円を稼ぐとはどういうことか。アルバイトが時給1000円だったとしたら、60時間働いてやっと手にできるものです。そういう感覚を持つ前にブランド財布はまだ早いんじゃないか、これが娘のおねだりを断った理由です」と明かしました。

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