千と千尋の神隠しに続く興行成績を誇り、確かな人気を誇るはハウルの動く城にはいくつかの都市伝説があり、その中で最も有名なものは、主人公の女性ソフィーの能力についてです。
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原作小説「魔法使いハウルと火の悪魔」では、ソフィーの能力は明確に「命を吹き込む力」と記されています。映画ではその力ははっきり分かるようには表現されておらず、あやふやなものに留まっています。その代わり、ソフィーは気分によって外見を変化させられる能力が与えられました。荒れ地の魔女の呪いによって老婆の姿に変えられてしまったのはきっかけに過ぎず、劇中においてハウルの庭で急に若返ったりしたのは、ソフィーの能力によるものなのでした。point 277 | 1
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映画版ハウルの動く城が原作と違う点はいくつか挙げられますが、最も大きな違いは、戦争描写の有無です。これは宮崎監督の、戦火の恋を描きたかったという理由から来ているものとされています。確かに、「紅の豚」や「もののけ姫」、「天空の城ラピュタ」など、宮崎駿監督作品には、規模こそ違えど戦争を臭わせる表現が数多く用いられ、物語を重く深くする役割を担っています。
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ハウルの動く城そのものにもいくつかの解釈があります。ハウルが戦争から逃げるためだとか、荒れ地の魔女から逃れるために移動しているというものが主力です。原作では実は歩いておらず、扉によって繋がる居場所不確定な部屋である城に、歩行機能を付け加えることで、より移動するという印象を植え付けられやすくなった城は、その逃走をわかりやすく表したものとされています。原作に様々な要素を付け加えるジブリ映画のことなので、目に見えないところにも数多くの情報が隠されているのでしょう。point 293 | 1
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ハウルの動く城の制作面にも都市伝説の逸話があり、この映画は当初、「バケモノの子」などで有名となった細田守さんが監督を務めるものでした。しかし、この映画は完成せず、制作チームは解散となってしまったため、宮崎監督が出ていくしかなくなってしまい、宮崎版ハウルとして世に出ることとなりました。原因は病気や大人の事情など複数のものが挙げられていますが、本当のところは定かではありません。
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その幻の細田版ハウルは、ストーリーの大部分が完成しつつある部分まで作られていましたが、監督が宮崎駿さんに代わった時、0から作り直されることになりました。細田版の、話の行程を4コマ漫画のようにシーンで切り取り、説明書のように使用するコンテは、今でもジブリに日の目を見ることはなく保管してあるとされています。