朱印帳の朱印というのは、神社仏閣を参拝に訪れた人に向けての、神職や僧侶らによって押印される印章そのものや、その印影のことを指します。参拝する人にとっては押された印影のほうを「御朱印」としていただき、その朱印を集めるための専用の帳面こそが朱印帳です。全国の神社仏閣を参拝して朱印を集めている愛好家は、大抵「御朱印」や「御朱印帳」と敬称を付けて呼んでいます。
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寺院などではかつて、写経を行ってそれを納めた際に受付印として御朱印をいただいたとのことで、納経印と呼ばれることもあり、現在でも納経を行わないと押印していただけないケースもあると言われます。本来はそのように、宗教的に大切な意味のある特別な印でしたが、現在では、やや語弊がありますがスタンプラリーの趣もあり、由緒ある神社仏閣をお参りした記念として御朱印をいただくといった風潮にもなっています。
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一般的なスタンプと同列にしてはいけない御朱印ですが、それだけに、ただの印章ではなく、印とともに墨痕鮮やかに神社仏閣の名称や参拝日などが書かれ、その流麗な筆文字と伝統的なデザインの御朱印が独特の芸術性を醸し出し、一種のアート作品のような美しさで、見る人を魅了します。それもあって、一つ御朱印をいただくと、次々に御朱印帳に他の神社仏閣の御朱印もいただきたくなり、そのために参拝旅行に出かけるという、やや本末転倒な目的のブームが巻き起こっています。point 287 | 1
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芸術的な御朱印そのものはもちろん、御朱印帳そのものも、和綴じや折本形式となっている純和風の美しい装丁のものが多いことから、特に人気が高い御朱印帳を獲得するために、遠路はるばるお目当ての神社仏閣を訪れる人もいます。近年は特に、若い世代の間でパワースポット巡りをする人が増え、そういったスポットにもなっている有名な神社仏閣の御朱印や御朱印帳の素晴らしさが口コミで広まり、さらにブームが盛り上がるようになっています。point 270 | 1
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神社仏閣のほうも、そういった人気の高まりによって、これまではやや年配の人向けといった雰囲気の濃紺や紫色など、落ち着いた色合いが多かった御朱印帳から、若い女性が好むようなカラフルで愛らしいデザインの装丁に変えるところが増えています。ピンク色などの華やかな色合いに和風の花模様をあしらったり、愛らしい猫の図案など、ファンシーな文具類にも似合うムードの御朱印帳が一気に増えた感があります。ゲームで人気となった刀剣が祀られている神社では、そのイメージの装丁となっていたり、有名な国宝の絵巻がある寺院では、その図案がプリントされた表紙の御朱印帳が販売され、御朱印をいただくことはもちろん、御朱印帳を集めるコレクターも出現しています。一か所の神社仏閣で数種類もの違うデザインの御朱印帳が販売されていることもあり、全国の人気が高い御朱印帳をコンプリートするためには、かなりの資金と労力が必要ということになります。point 463 | 1
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ブームもあって、近年ではご当地に行かなくても通販で購入できたり、都内でデパートなどの特設コーナーで購入することもできるようになりましたが、やはり、本来の通りに由緒ある神社仏閣にお参りして、その場で御朱印をいただいてこそ、ありがたいものがあると言えます。女性向けの愛らしく美しい御朱印帳が一気に増えたことで、御朱印ガールと呼ばれる愛好家の存在が一般にも知れ渡るようになりましたが、御朱印ガールがお目当ての御朱印をいただいた時のあまりにも嬉しそうな様子に、パワースポット巡りで得られる不思議な作用とともに、御朱印そのものの御利益をありありと感じ、自らも御朱印を集め始めるといった親世代も増えていると言います。一か所の神社やお寺で御朱印をいただくと、御朱印帳に次々に新たな御朱印をいただきたくなる、そんな魅力に満ちています。point 425 | 1