中国・武漢市への渡航歴がない奈良県在住のバスの運転手が、新型コロナウイルスに感染したことが判明しました。奈良県は28日に記者会見を開き、担当者は「バスで長時間一緒だったので、バス内で感染したのではないかと考えている」と説明しています。
バスの運転手の男性は、武漢からのツアー客を乗せて1月8日〜11日と、12日〜16日の大阪から東京間のバスを運転していました。県によれば、男性はツアー客と一緒に宿泊しており、客のほかにホテルの従業員など合わせて104人と接触したということです。人から人へと感染した可能性が高いとみられる今回のケースに、怒りの声をあげる人物がいました。
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中国での感染が落ち着くまで、特に、武漢や感染地域からの入国者を保留すべき。今回の新型肺炎は検疫法2条3号に基づく政令指定の検疫感染症と位置付けられたが、これでは停留措置ができない。法の不都合を是正するのが国会なのに、今の国会は何をやっている!ADVERTISEMENT — 橋下徹 (@hashimoto_lo) January 28, 2020
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が、28日の夜に自身のツイッターを更新。そのツイートには、同ニュースを引用して「今の国会は何をやっている!」と、日本政府の対応の遅れに怒りを露わにしています。橋下氏は「中国での感染が落ち着くまで、特に、武漢や感染地域からの入国者を保留すべき。」と主張し、法の甘さについて指摘しました。
法改正で対応できないなら、何らかの理屈を立てて、停留措置を講じるべき。停留は完全な入国禁止ではなく潜伏期間の経過を待って発病を確認するもの。国民の安全を守るために、日本の政治はこれくらいできないのか!
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橋下氏は、「今回の新型肺炎は検疫法2条3号に基づく政令指定の検疫感染症と位置付けられたが、これでは停留措置ができない」と危機感を示し、「法の不都合を是正するのが国会なのに、今の国会は何をやっている!」と嘆きました。さらに、「法改正で対応できないなら、何らかの理屈を立てて、停留措置を講じるべき。停留は完全な入国禁止ではなく潜伏期間の経過を待って発病を確認するもの」と対案を提示しています。
「国民の安全を守るために、日本の政治はこれくらいできないのか!」と訴える橋下氏の意見には、「個人的には賛成です。中国からの渡航を完全に閉鎖すべきです」「仰るとおりですね。このまま自宅待機では知らぬ間に移してしまう可能性が高いです。日本でパンデミックになったら手遅れです。」「何で厚生労働省は潜伏期間中を無視するのか。」「橋本さん是非もっと公の場で言ってください。」などと、橋下氏に賛同する声がネット上で多くあがっています。
運転手の男性は、ツアー3日目の14日に悪寒やせきなどの症状が出始めたことがわかっていて、その後、奈良県内の医療機関を2度にわたって受診し、肺炎の症状が確認されたということです。男性は県内の医療機関に入院し、現在、症状は改善しているということですが、潜伏期間のある新型コロナウイルスへの対策が十分に行われていない今の政府に対して、国民からの不信感が高まっています。