10月12日、台風19号は伊豆半島に上陸、東北地方へ抜けた山梨県道志村の椿荘オートキャンプ場も容赦なく襲いました。秋のキャンプシーズンを迎えても、今もなお再開のメドは立たないといいます。この山梨県のキャンプ場で、およそ1カ月半前、小1の小倉美咲ちゃん(7)が神隠しに遭ったかのように姿を消しました。家族の悲しみは深まるばかりと想像されますが、そんな中、SNSをはじめネット上では、母親は応援されるどころか激しく攻撃され、犯人扱いまでされているのです….
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9月21日、この日キャンプ場には7家族27人が集まりました。12時15分、母とも子さん(36)運転の車で美咲ちゃんと2歳上の姉がキャンプ場に到着。父の雅さんは仕事の都合で翌朝から参加予定でした。お昼ご飯に天ぷらそばを食べると、子どもたちはテント近くの森で遊んだといいます。
15時35分頃、おやつを食べ終えた子どもたち9人が沢に遊びにいきましたが、美咲ちゃんはおやつを食べ終わるのが遅かったため、5分ほど遅れて追いかけたそうです。とも子さんが美咲ちゃんを見るのがこの時が最後だったといいます。
その後、美咲ちゃんが見当たらず、17時ごろに警察に連絡。22時に警察と消防がその日の捜索を終え、雅さんが午前1時半に到着し、3時ごろまで友人たちと一緒に捜索を続けたようです。
翌日以降は、県警や地元の消防団に自衛隊、捜索ボランティアも加わり、約1700人で必死に探し活動してきましたが、いまなお手がかりさえ見つかっていません。
美咲ちゃんがいなくなったのは、わずか20分の間。周りにはちょろちょろと流れる沢しかなく、下流に流されるなど考えにくいと言われています。自衛隊が下流の道志ダムまで捜索したのに、遺留品のかけらも見つからない状況に、本当に不思議なことが起きた、と取材記者は語ります。
しかし、このような状況が続き、きっと夜も寝られないであろう美咲ちゃんの親に、ネット上では信じられない厳しい書き込みが寄せられていたのです….。
とも子さんが9月25日に更新したインスタグラムがきっかけだったといいます。そこには馬の写真とともに〈私のことは心配しないでください〉〈寒くて、暗くて、不安で、お腹も空いている辛くて苦しい美咲から比べたら全然大丈夫ですので〉とつづり、ハッシュタグでとも子さん経営のトリミングサロン名も書かれていました。
これに対し〈こんなときにインスタで自分の職場のハッシュタグつけてる場合じゃないでしょ。宣伝かよ〉などの批判を浴びてしまい、9月30日に両親が応じた記者会見についても〈泣いてるのに涙が出ない不具合発生〉〈母親顔出しインタビューで、父親顔出しNGインタビュー。すごく違和感を感じた。別居してる?〉と言いたい放題。
その後、とも子さんが時々更新したインスタグラムの投稿のなかで、特に批判を浴びたのが、10月20日付のもので「全国にいる私の友達が募金活動を始めてくれたり」と、「友達を家に呼んで、私の髪を娘と同じ髪型に切ってもらいました。チラシを配ったり呼び掛けをしたときに娘と同じ髪型だと声をかけやすくするためです」という文言。
募金に関しては〈過去に子供が行方不明になって、その親が募金活動していた例なんて、なかったと思うけど〉などと叩かれ、翌日21日にとも子さんがインスタグラムで募金について、「美咲が見付かったら全額台風被害に苦しんでいる方々へ募金するつもりです」と説明すると、〈使用目的が違ってきて詐欺に当たる〉との指摘が。それ以降、とも子さんはもうネットを炎上させたくないとし、取材も控えているのだそうです。
とも子さんの夫・雅さんの姉は次のように話しています…「雅が顔を出さなかったのは、会社の方々や顧客に迷惑をかけたくないから。だからインスタなどで顔を出していた母親だけにしたんです。」「2人の娘に愛情を注いできたのに、父親がいないときにこんなことになって、責任を感じて、ほとんど寝ずに警察の方々と一生懸命探し回っていました。ハッシュタグだって、心配して連絡してくださった友人やお客さんに自分のインスタがすぐわかるように、と思ってやったこと。」と明かしています。さらに、ネット社会は本当に怖いもの、世の中、暇人や冷たい人が多いんだと感じた、と語っています。
ただでさえ、子どもがいなくなって辛い状況にいる母親にさらに追い打ちをかけるような悪意ある書き込みをする神経は理解しがたいものです…。一日も早く美咲ちゃんが見つかることを願います。