映画「キセキ~あの日のソビト」で、その成り立ちが映像化されたgreeeen。彼らは、アーティストとして活躍する一方で、歯科医としての顔を持っています。
写真:greeeen-part. seesaa. net
greeeenの始まりは、2002年に予備校の友人同士だったHIDEとnaviの2人で始めたのがスタートです。その2人をサポートしたのが、HIDEの実兄であるJIN。その後、歯学部で知り合った92とSHOを加え現在のgreeeenが出来上がったのです。普通のアーティストと違い、歯科医としての顔も大切にする彼らは、一切公の場で顔を出さないと戦略を通します。それにより、より神秘性をファンに与え現在の人気をえたのです。
写真:suruga-ya. jp
greeeenのメジャーデビューは、2007年でシングル「道」をリリースしています。その後、順調にシングルを発売し、2008年のテレビドラマ「ROOKIES」の主題曲として採用された「キセキ」が、爆発的人気となりgreeeen最大のシングルセールスを成し遂げます。この「キセキ」という楽曲は、日本国内において最も多くダウンロードされた楽曲として、正式にギネスの認定を受けている人気の楽曲です。
写真:sanspo. com
その後も顔を出さない戦略は続き、2009年のレコード大賞の際にはHIDEと92が声のみでの出演という行動にでたのです。ちなみに、肉声を全国放送で公開したのは、このレコード大賞での喜びの声が初めてでした。
歯科医として活躍しながら、音楽活動も続けるgreeeenは、自分達の楽曲だけでなく他のアーティストやCM、ゲームなど様々な分野の楽曲を手がけています。
写真:flickr. com
音楽活動だけでなく、歯科医としても人々の助けになろうとHIDEは、東日本大震災における被災地の身元不明遺体の特定のため歯科医師として参加することを発表しました。アーティストとしてだけでなく、人としても魅力的なgreeeenの一面があらわれています。そして、これは顔を出さなかったアーティストだからこそ出来たボランティアだといえるでしょう。
greeeenのの顔を出さない戦略は、アーティストのプライバシーを守るだけでなくファンの夢を膨らませる効果が期待できます。その効果が、素晴らしい楽曲と相まって、より一層高い人気を実現することになるのです。
写真:antenna. jp
現実的に顔を出さない戦略は、新譜のプロモーションなどが公にできず不利になるでしょう。でも、楽曲が良ければ、顔が出ていない分、ファンそれぞれの理想のgreeeenの像を思い描くことができます。
最近は、ネットなどでアイドルやアーティストの情報がファンの身近にあふれているため、それぞれのカリスマ性が薄れています。その点、顔を出さないアーティストたちには、神秘性とカリスマ性をファンに与えることができるといえるでしょう。
写真:barks. jp
近頃では、greeeenのように顔を出さないバンドやアイドルグループも少なくありません。オオカミバンドとも呼ばれている「MAN WITH A MISSION」やセミメタルバンドの「Cicadas」、ポップ・ロックバンドの「Passepied」などのバンドからアニソンユニットとして注目されている「ClariS」まであらゆる分野で顔を出さずに活躍しています。
写真:twitter. com
音楽業界の常識を覆し、音楽番組での宣伝活動やプロモーション活動が制限される中で爆発的なヒットを飛ばしたgreeeenの成功は、これから続こうとする後輩たちに大きな力を与えてくれたといえるでしょう。イベントやツアーで全国を回ることもなく、ステージに一切立つことの無いアーティストたちは、ファンのひとりひとりに理想のアーティスト像を描かせることによりファンの心をしっかりとつなぎとめています。