織田裕二&中島裕翔の『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)、綾野剛&星野源主演の『MIU404』(TBS系)、中島健人&平野紫耀の『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)、田中圭&安田顕『らせんの迷宮』(テレビ東京)、藤原竜也&竹内涼真の『太陽は動かない -THE ECLIPSE-』(WOWOW)… 4月クールの新ドラマであるこれらの作品には、共通点が…。それは男2人の「バディもの」であることです。
バディものは古今東西フィクションの定番⁉ その魅力は…
「シャーロック・ホームズ」の例を出すまでもなく、バディものは古今東西フィクションの定番。その魅力は、性格・生い立ちが対照的なキャラクター同士が共に困難に挑み、その過程で反発しあったり心を通じ合わせたりする物語にあります。
男2人の絆に盛り上がりがちな腐女子のみならず、多くの視聴者を惹き付けやすく、日本のテレビドラマでもよく見られる構図。昨年10月の月9ドラマ『シャーロック』(フジテレビ)で、ディーン・フジオカと岩田剛典の2人が“顔面最強バディ”と公式に称されていたのも記憶に新しいことでしょう。
それにしても、さすがに今クールは「バディもの」フォーマットが多すぎるように感じます。なぜこのような事態が生じたのでしょうか。そこには 芸能事務所の思惑があるという。キー局関係者はこう語ります。
「最近はキャスティングする際に、主演を依頼した俳優の事務所側から『ダブル主演なら引き受けます』と言われるケースが少なくないんです。今は視聴率が日々ネットニュースになり、低調だった作品で主演をつとめていると『低視聴率俳優』の烙印を簡単に押されてしまう。ダブル主演にすれば、責任の所在が分散できますよね。そうした事情から、バディものにしてダブル主演にするか、実際はそうでなくとも主役級が2人いるように見える作品が増えているという見方はできると思います」point 224 | 1
こちらはバディものではないが、今期は玉木宏と高橋一生をダブル主演に据えた『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ系)もひかえています。このように主演級の俳優が2人いるとなれば、現場で気を使う場面は増えるはずでは…⁉
「なぜ自分とあいつが同格なのか」「自分のほうが扱いが悪い」なんてことを言い出す俳優がいてもおかしくなさそうですが…。point 219 | 1
バディものドラマブームもピークを迎え… 次に流行るのは⁉
「最近の役者さんはそれほどうるさくないので、目に見えてトラブルになるケースはあまりないと思います。ただ、それでも制作サイドは気を使うので、例えば取材の件数などが均等になるように工夫することはありますね」(前出・キー局関係者)
「視聴率が取れなかった場合のリスクの分散」といった関係者たちの苦慮のもとに量産されるバディものドラマですが、それも そろそろピークを迎えているようです。
「ここ数年は恋愛ドラマがヒットしづらく、各局が手控える状況が続いてきた。結果として、医療ものや警察もの、事件ものが増え、それらと相性のいい“バディもの”が多く作くられています。ですが、1月クールでは『恋はつづくよどこまでも』(TBS)が大ヒットした。そろそろ恋愛ドラマへの揺り戻しがあるかもしれません」(同)point 282 | 1
各局出揃った”バディもの”ドラマ。どの組み合わせが高視聴率を叩き出し“最強バディ”の称号を手に入れることになるのでしょうか⁉。まずはそれぞれの 初回放送から「見くらべ」してみるのも、一興かもしれませんね…。