任侠映画で名を馳せた高倉健。その演技は男気にあふれ聴衆を虜にしました。男が憧れる俳優としても必ず名が挙がるほど。そのせいもあってかゲイではないかとの噂が時々ゴシップ誌を賑わせました。恋愛についての噂は、いい加減なもの。複数の女性と浮名を流せば女好き。女性には脇目も振らず真面目に芸に取り組めばゲイと囁かれがちです。恋のゴシップは名誉を棄損しない範囲では、笑って済ませられるし罪がありません。高倉健がゲイかどうかの真実は、本人がカミングアウトしない限り、他人が知り得ません。噂を信じるか否かは、聞く人次第です。
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ただ、高倉健は歌手の江利チエミと映画の共演がきっかけで結婚しています。妊娠はしたものの、不幸にも子が生きて誕生は叶いませんでした。当時の貴重な写真を見ると、二人の仲がどれほどか良く分かります。しかし、結婚生活はやがて終わりを迎えます。江利が騙され個人的に多額の借金を背負います。その負担を高倉に分担させるわけにはいかないと、離婚を決意します。
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高倉のストイックさはデビュー時から変わっておらず、気持ちが揺れる江利の復縁を求める言葉に、高倉は決して応じませんでした。借金と離婚のストレスか、江利は早くに亡くなります。復縁はしなかったものの愛を貫く高倉は、江利の命日には必ず墓参をしました。これは江利の死後何十年も続きます。
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そして再婚もしてません。この辺りから高倉健がゲイだとの噂が立ったのでしょう。通常人気俳優であれば女性の誘惑も多いでしょうし、十数年も経てば再婚しても周囲も世間も許してくれるはずです。にも拘わらず独身を貫いたせいで誤解されたのでしょう。後年北野たけしが高倉健と共演したときのエピソードを語っています。高倉は酒は飲みませんが話好き。北野が酔っ払って女に興味ないのか高倉に尋ねたそう。
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長い間再婚してないから世間の疑問を代表したのでしょう。すると高倉は、自分はホモじゃないよと笑い、一人で居るのが楽だからと答えたそう。他人思いの高倉健ですから、心の中で江利とずっと結婚しているつもりだったかも。実際には離婚後に親しかった女性も居たようですが、高倉健の言葉通り、一人を求めたのでしょう。
ですから、ゲイとの噂は噂に過ぎず、とても優しく思い遣りがあり、自分に厳しい姿勢が誤解を生んだのでしょう。幸せな恋愛や結婚に関しても芸能界の常識とは異なりストイックに考えたため、他の芸能人のように浮名を流しませんでした。その分、異性はもちろん同性も憧れるスターとなったのでしょう。