フルーツには、2型糖尿病を予防する効果があり、特にブルーベリー、ブドウ、そしてリンゴがこの順番で効果的なようです。しかし、フルーツジュースではそれらの効果は見られず、むしろ逆効果で、かえって糖尿病リスクを高めてしまうという調査結果が米国の研究チームによって報告されました。
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研究者は、「糖尿病の予防にフルーツを摂ることが推奨されていますが、すべてのフルーツをまとめて検討したこれまでの研究では、その糖尿病予防効果にはあいまいなところがありました」と述べ、「我々の研究で、フルーツでも種類によって糖尿病予防効果に違いがあるらしいことが新たに証明されたのです。」と語りました。また、研究チームは、1984年から2008年にかけて187,382人が参加した3つの大規模疫学研究からフルーツの摂取量と糖尿病の予防効果について解析しました。その際、トータルのフルーツ摂取量に加えて、個々のフルーツの摂取量が調べられました。調査対象は、ブドウ(レーズンを含む)、桃+スモモ+アプリコット、プルーン、バナナ、メロン、リンゴ+洋梨、オレンジ、グレープフルーツ、苺、そしてブルーベリーです。また、研究チームでは、フルーツジュース(アップル、オレンジ、グレープフルーツなど)の摂取量についても調査することにしました。
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その結果、特定のフルーツ、特にブルーベリー、ブドウ、リンゴまたは洋梨を週に2皿以上食べる人は、ほとんどフルーツを食べない人と比べて、2型糖尿病のリスクが23%低下することが判明し、逆に、毎日1本(240ml)以上のフルーツジュースを飲む人は、2型糖尿病のリスクが21%上昇したそうです。研究チームによりますと、週あたり3本分のジュースの代わりに同量のフルーツを食べれば、糖尿病のリスクを7%下げられそうです。
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フルーツの違いによる予防効果の差は、フルーツの種類によって食後の血糖値の上がり方が異なることとはあまり関係がないようですが、通常のフルーツとそのフルーツのジュースを比べた場合には、食物繊維が少ないジュースは速やかに消化管から吸収されて血糖値を急激に上昇させるので、通常のフルーツのような効果がみられなくなるのではないかということになります。個々のフルーツによって効果に違いが見られるのは、各々に含まれる特別な機能性成分の影響があるからだろう、と研究者らは指摘しています。
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以上の研究結果は、通常のフルーツの摂取を増やし、ジュースは控えようという現在の糖尿病予防ガイドラインをサポートするものであり、今後さらなる研究結果を期待したいものですね。
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