世界各国の選手が集まった五輪の舞台では、「政治とスポーツは別物」という原則が存在します。しかし、2020東京五輪では、一部の選手が自分の政治的意思を明らかにし、波紋を呼んでいます。
3日、外信などによると、アメリカ女子砲丸投げ銀メダリストのレーベン・ソーンダーズ選手が前日の表彰式で両手を交差させた「Xポーズ」を見せました。
黒人であり性的少数者であることを公表していたソーンダーズ選手は、この「Xポーズ」が「抑圧されたすべての人々が交差する場所」と説明しました。 続けて、「全世界で闘っていて、声を上げる舞台がない人たちを称えたい」と強調しました。
ソーンダース選手の表彰式の数分後に行われた男子フェンシング・フルーレ団体戦の表彰式では、銅メダルを首にかけたアメリカのレース・インボーデン選手の手の甲に、X字の上から丸が描かれた模様がカメラに映されました。ニューヨークタイムズは、「写真を見ると、試合途中のインボーデン選手の手にはそんな模様はなかった。その模様が何を意味するのかは分からない」と伝えましたが、ソーンダース選手の「Xポーズ」と同じもののようにも捉えられます。
また同日、女子自転車競技チーム・スプリントで金メダルを取った中国の鍾天使(ゾン・ティエンシー)選手と鮑珊菊(バオ・シャンジュー)選手は、表彰式に毛沢東の頭像が描かれたバッジをつけて議論を呼びました。
さらに競技場の外では、ベラルーシ当局が陸上選手クリスティナ・ティマノフスカヤ選手を強制帰国させようとした事実が伝えられ、波紋が広がっています。ティマノフスカヤ選手は、SNSで担当コーチを批判したという理由で強制帰国させられる羽目になり、これを拒否して亡命申請の意思を明らかにしました。
AFP通信は、ポーランドが2日、ティマノフスカヤ選手に人道ビザを発給したと報じ、早ければ4日ポーランドに出発するまで、東京駐在ポーランド大使館に滞在するといいます。