2日、愛知県一宮市で、小中学校の臨時休校に伴い、学校給食で使うはずだった野菜や果物の一部が市役所前で販売されました。食品ロスを減らそうと、給食用食材を調達する市学校給食会が 即売会を開き、エコバッグを持った主婦らが 長い列を作りました。
即売はいいアイデア、小売価格の半値ほどで…
市役所前に段ボールのまま並んだのは白菜約500個、大根約200本、ニンジン約6000本、長ネギ約280束、リンゴ約2千個。白菜は1個100円、リンゴは2個100円と小売価格の半値ほどで売られ、白菜はわずか15分で売り切れました。半額程度とあって朝から長い列ができ、約1時間で完売しました。
「即売はいいアイデア。捨てるともったいない」と 市内の主婦 岩田厚子さん(66)は買い求めました。
市学校給食会は、市内の公立小中学校の臨時休校が決まった2月28日、食材の納入業者にキャンセルを連絡。すでに仕入れていた野菜などのうち、鮮度が保たれたものを生活困窮者の支援団体に寄付したり、即売したりすることにしました。
市学校給食会の石原幹雄理事長は「給食で提供できなかったのは残念だが、多くの市民の方々が買ってくれ、有効に活用できてよかった」と話しました。
生乳が行き場を失い、酪農業者さんが悲鳴⁉
今回の報道に対して、食品ロス問題ジャーナリストで栄養学博士の井出留美さんはさんは下記のコメントを寄せました。
「 休校措置で給食の生鮮食品は行き場を失いロスになってしまうので、即売会で使って頂ける先が見つかってよかったです。
この件と別ですが、長年、学校給食に携わってきた管理栄養士は、学校給食費は公費と保護者からの徴収で賄われており、給食食材を転用するには関係者の合意が必要だと話していました。
一方、生乳が行き場を失い、酪農業者さんが悲鳴をあげています。牛が乳を出すのは待ったなしです。1リットルの牛乳を搾り出すために、母牛は400リットル以上もの血液を使っています。人間の都合で、牛の命から生み出した生乳が大量に無駄になってしまうなんて、牛の気持ちを考えると本当にせつないです。point 208 | 1
既に休校措置が終わった台湾では、単に休校を要請するだけではなく、その措置により負担を被るであろう人たちへの配慮がしっかりしていました。本来の政治とは、単に国民へ要請するだけでなく、社会的弱者への配慮があるものだと思います」