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最高に気持ち悪い?「惡の華」はどんな内容?


惡の華とは、押見修三という群馬県出身の漫画家の手によって生み出された青春を舞台にした漫画であり、講談社から出版されている別冊マガジンという漫画雑誌にて2009年から2014年という5年間の間にかけて連載されていた漫画となっています。押見修三は今まで生み出してきた漫画の中で、たびたび映像作品として他媒体の題材にされてきましたが、この惡の華も他作品同様に別媒体の題材とされて映像化されました。ただ、他の押見修三作品とは違う点があり、この惡の華はテレビドラマ率が高かった押見修三の作品の中で、アニメ化として映像化されているのです。


写真:nijimen.net

ただし、一般的なアニメ映像化とは随分と趣向が異なっており、惡の華のアニメは一度実写で映像を撮っておいてそこからセル画やコンピューター処理でトレスしていくといったロトスコープと呼ばれている技術を採用しているのです。しかも、そのロトスコープ化を部分的に行うのではなく、全編を通してロトスコープ化させているため、これらの理由から惡の華のアニメは、他作品のようなアニメ的な可愛さや表現方法、いわゆる萌えといった成分が皆無な出来栄えとなっており、この実写とほぼ変わらないような精密な顔の描き方や描写が、最高に気持ち悪いと呼ばれていまうるほどのリアリティの詰まったアニメ映像となっているわけです。point 356 | 1

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写真:i.ytimg.com

そういったほかにはない独特なアニメとして描かれ方をした惡の華という作品ですが、その惡の華の内容は主に絶望といった非常に暗くなってしまうような概念をテーマとして据えており、思春期が醸し出している精神的な彷徨と自我の行方を描いた青春漫画となっています。そんな惡の華の大まかなストーリーの流れというのは、主人公の男の子である春日高男(かすが たかお)の中学生から高校生までの青春を描いたものとなっており、漫画の1巻から6巻までの間を中学生編として、7巻から最終巻までを高校生編というような2部のストーリー構成となっています。point 328 | 1

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写真:myanimeshelf.com

中学生編の大まかなあらすじは主人公でありながらどこか少女のような容姿を持っている春日高男(かすが たかお)がある日、クラスの美少女として名高い佐伯奈々子(さえき ななこ)に強い想いを寄せるあまりに放課後の誰もいない時に、出来心から彼女の体操着を盗んでしまい、その場面をクラスの嫌われ者として知られている女の子、仲村佐和(なかむら さわ)に目撃されてしまったという所から始まっていきます。

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写真:takamine.blog.jp

弱みを握られてしまった仲村佐和(なかむら さわ)によって激しく翻弄されてしまう春日高男(かすが たかお)ですが、そんな中でひょんなことから意中の佐伯奈々子(さえき ななこ)と付き合うことにもなってしまい、春日高男(かすが たかお)の恋心と背徳といった自己矛盾に苛まれる中学生の姿が描かれることになるのが1巻から6巻までの大まかなストーリーのあらすじとなっています。

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写真:matome.change-the-future.com

そして、7巻からは中学生編から3年後の高校生編と進んでいき、弱みを握り翻弄させられる存在であったはずの仲村佐和(なかむら さわ)との関係の変化、高校生編から新たなヒロインとして加わる常磐文(ときわ あや)という少女の存在も交え、よりヘビーで複雑な内容へと発展していくようになっていきます。このように、青春時代特有のどこか歪んだ感情などを交えた本作は高い評価も得ており、漫画評価雑誌である『このマンガがすごい! 』の2011年のバージョンで男性版の10位を獲得するなどの評価を残しています。青春時代特有の複雑な人間関係の物語を味わいたいという方は、今作をぜひ手にとって読んでみると良いでしょう。また、アニメ版の独特な作画も癖になること間違いなしです。point 408 | 1

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