LCCのジェットスター・ジャパン501便が爆破予告を受けて、愛知県の中部空港に緊急着陸しました。いったい何があったのでしょうか?
時系列は以下の通りです。
・午前6時20分 成田空港に英語で電話
関係者によると、7日午前6時20分ごろ、成田空港に男の声でドイツから電話がありました。電話で伝えられた内容は、「貨物室に100キロのプラスチック爆弾を仕掛けた。マネージャーを出さなければ爆破させる」だったといいます。
・午前6時35分 成田空港を離陸
501便は午前6時35分ごろ、乗客136人と乗員6人を乗せて成田空港を離陸し、福岡空港に向かいました。
・午前6時53分 航空会社に爆破予告があったと連絡
離陸からおよそ20分後の午前6時53分に、成田空港会社の警備消防センターからジェットスター・ジャパンの本社にいた運航管理の担当者に爆破予告があったと連絡が入りました。
・午前7時半すぎ 中部空港に緊急着陸
ジェットスター501便は、午前7時半すぎに中部空港に緊急着陸しました。
脱出用のシューターが出て、乗客たちは次々とシューターを滑り降りて避難していきました。乗客が脱出する際、いずれも軽傷ではありますが、すり傷を負うなどして5人がけがをしました。
・午後0時15分 中部空港の滑走路 運用再開
警察によると、貨物室の荷物をX線などで調べるも、爆発物などの不審物は見つからなかったといいます。
中部空港の滑走路は、およそ4時間半後の午後0時15分に運用が再開されました。
乗客の20歳男性 “機内が一時、騒然と”なったと話します。男性によると、成人式に出席するため福岡空港に向かっていたところ、機内で突然、中部空港に緊急着陸するとアナウンスが入ったということです。
着陸したあと、機長から機内に爆発物が載せられている可能性があると説明を受けたということで、機内は一時、騒然となり、男性も不安に感じたと話しました。
その後、急いで機体の外に出るよう客室乗務員から指示され、座席上の棚に入れていたバッグなどは置いたまま、脱出用シューターを使って避難したということです。
元パイロットの航空評論家・小林宏之さんは、「緊急着陸の判断は当然」だと話します。「爆破予告は航空の安全にとって非常に脅威となるもので言語道断だ。安心して空の旅をするためにもあってはならないことで決して許されるものではない。爆破予告が仮に悪質ないたずらであったとしても、乗客乗員の安全を確保する責務を担っている機長は最善の努力をする必要があり、最寄りの空港に緊急着陸する判断は当然だ」
また、脱出用シューターが使用されたことについて、「速やかに乗客を脱出させるには脱出用シューターを使うのが最も早い。もし爆発することがあった場合には犠牲者が出てしまうので、今回もシューターを使ってできるだけ早く乗客を機体から離すという鉄則に従って判断をしたのだと思う」と話しました。
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