イタリアンレストランを訪れた親子が、「パスタ2品」しかオーダーしなかったとして、店の人がTwitterで怒りをぶちまけ、話題となりました。現在はアカウント削除されています。一体、何があったのでしょうか。店の人は次のように連続でツイートしていました。
「オーダーを聞きに行くとパスタ2品のみ。前菜やメイン料理のオーダーを尋ねるといらないと言う。一応リストランテなのでパスタのみでのオーダーは受け付けていないので、最低料金を下回る場合、席料を頂戴する旨を伝える。」
「すると、あろうことか言うに事欠いて『二人ともあまりお腹が空いていないんですけど…』このセリフどう思いますか?レストランですよ?」
「身の丈にあったお店選びや来店前にでも予約するなど、お客様も(食べる準備)をして頂きたいと思います。 軽食や小腹を満たすためなら日本は世界一コンビニやファミレスが多い国(笑)なので、そちらで賄った方が良いと思います。」
その後、熱く料理やリストランテへの思いを語りつつ、客に対しては「身の丈にあったお店」であるコンビニやファミレスを勧めるという母子を侮辱する内容をツイートしていたのです。これにより、世間からは批判的な声が殺到したというわけです。
本人は自身のツイートに「#拡散希望」というハッシュタグを付けていたことから、自分の意見が支持されると思っていたようです。しかし、当初の思惑とは裏腹に炎上に見舞われることになりました。point 267 | 1
・こだわるのは大事だけれど、それを客に押し付けるのは違う。店の理想と現実が乖離していて店主に余裕がなかったのだろう。
・入り口に大きく、「コースのみのレストラン」と書けばいいのでは?
・パスタ2品しか注文出来なかった気持ちも汲んであげてほしい。
確かにリストランテはコース料理が中心ですが、双方の間で合意が成立している場合、イレギュラーな事態が発生しても問題はないのです。
今回のケースで言えば、店側は事前にシステムを説明しており、客はそれを了承しています。
店側としては料理への「こだわり」や「想い」があるかもしれませんが、お互いが納得の上であれば、今回のようにイレギュラーな対応でも法的な問題は一切ないのです。
もし、店側が「パスタ2品だけの注文」を了承できないのであれば、客を退店させることもできました。
しかし、今回のケースでは双方の間で合意が成立しているにも拘わらず、客を侮辱するツイートをしたことで炎上したというわけです。point 356 | 1
「店側のTwitterによると、「席料」は「最低料金」を下回った場合に求めているそうですが、バーなどでよく見られるように、『テーブルチャージ』や『ミニマムチャージ』というのは珍しくはありません。お店として、最低限お客さんに支払ってもらいたい場所代を設定しておいて、その金額を取ることは可能です。もちろん、お店が、事前にお客さんに伝えて、了解を得る必要があります。
あくまでお店とお客さんの合意によって決まりますから、今回の場合、お店としては、逆に、『コース料理だけだからアラカルトはない』ということを説明し、「パスタ2皿」だけの客に退店してもらうこともできました。
飲食店のお客さんには、色々な方がいますし、色々な経緯、動機で来店します。飲食店としては当たり前の情報や感覚でも、一般の方からしたらぴんと来ないこともあります。お店として、また、職人としてのプライドがあるのは当然ですが、それを後から、SNSという公開の場で、さらし上げるようなことをしたのは、やはり軽率だったと思います。」と、弁護士法人横浜パートナー法律事務所の石崎冬貴弁護士は語ります。
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