アルゼンチン・ブエノスアイレスにある動物保護団体『4 Legged Project』のFacebookに投稿されたストーリーが、多くの人に衝撃と感動を与えています。
路上に倒れている1匹の犬を子供たちが見つけて、彼らの親が消防署に通報しました。その後、消防署からの助けの要請を受けた『4 Legged Project』のスタッフが現場に向かいました。
現場に到着したスタッフは誰もが目を疑ったといいます。そこには1匹の犬が全身タール漬けになっていたのです。
犬は体だけでなく顔までタールにまみれ、目も口も固まった犬は、もはや鳴き声すらあげられない状態でした。これまで数多くの動物たちを救助してきたスタッフも、初めて目にする悲惨な光景だったといいます。スタッフたちは近所の家から油をもらい、すぐに犬を助け出す作業に入りました。
犬の体を傷付けないように慎重に路面からはがし、施設へと搬送されました。そこからはひたすら犬の体に付いたタールを取り除く作業が続きます。
スタッフたちは夜を徹してタールを油で溶かし続けました。そして休みなしで9時間も作業を続けた後、犬はようやく本来の姿にほぼ戻ったのです。
50リットルの油と3回のシャワー、8人のボランティアスタッフ、さらに近所の人たちと消防隊員たちの協力によって犬の命は助かりました。
犬は『アロエ』と名付けられ、救出に当たったスタッフはFacebookにこうつづっています。
「タールを取り除き、少しずつ彼女の体が見えてくるごとに、私たちの感情は動かされました。
そして見てください。今日は彼女の二度目の誕生日です。なぜなら疑いなく、彼女は再び生まれ変わったのです。」
この投稿は8回以上シェアされ、世界中からスタッフたちへの称賛と犬が助かったことへの祝福コメントが寄せられています。その後、すっかり元気になったアロエは自分を見つけてくれた子供たちや消防隊員にお礼を伝えに行きました。
なぜアロエがこのような目に遭ってしまったのは分かりません。もしそのまま誰も助けなかったらと考えると、ゾッとします。多くの人たちの優しさによって生まれ変わったアロエが、これからは幸せに生きていけるといいですね。
また、2017年にもインドのラージャスターン州にある動物保護団体「Animal Aid Unlimited」がタールにはまって固まってしまった3匹の子犬たちの救助の様子を公開しています。
病院では3匹の体についたタールを、大きな部分はハサミで切り取ったり、残りはオイルで優しくマッサージをして落とす作業が始まりました。2時間ほど続けたところ、少しずつですが徐々にタールが落ちていきました。それから3日間、オイルマッサージとお風呂はかかせませんでしたが、そのかいあって子犬たちはきれいな体に戻ることが出来ました。