魚焼きグリルで旬の魚をこんがり焼いてアツアツのところを頂くのは、魚好きには至福のひとときですが、トレイなどの洗い物やグリル内と周辺の掃除など、後の手入れが大変なところがやや難点です。家庭によっては、グリル掃除の大変さと魚の臭いがイヤということで、グリル使用禁止令が出ているという話も聞きます。とは言え、ガスコンロにせっかく付いている魚焼きグリルが一度も使われないままというのは何とももったいない話で、魚を焼いた臭いや脂のベタベタへの禁止令はやむなしとしても、グリル機能そのものは大いに活用したいものです。
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魚焼きグリルが付いたガスコンロを購入しても、魚焼きには一度も使わず、ほかの料理に活用している人は意外に多く、特にポピュラーなのが、トースター代わりに使うケースです。食パンを入れて軽く炙るだけで、本来のオーブントースターで焼くよりも外はカリッと中はフワッと焼き上げることができます。タイマーが無いグリルの場合は、すぐそばで見張っていないと食パン型の真っ黒な物体になりかねないので、点火後はグリルのそばを離れないことが大事です。強火で1分ほどですぐ焼き色が付きますので、両面焼きにしたい場合は素早くひっくり返してもう1分焼きます。魚焼きグリルには両面焼きタイプもありますが、一般的なのは片面焼きタイプということで、裏面はフンワリ感を残して焼きたい場合は、オーブントースターよりも好みの焼き加減で賞味することができます。
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魚焼きグリルは、トレイに水を入れることが原則となっていますが、それは魚を焼いた時に出て来る脂が、トレイに落ちて発火することを防ぐためですので、トースト目的の場合は入れなくても大丈夫ということになります。空焚きになるのがどうしても気になる場合は、薄く水を張っておくと安心です。ふだんは本来目的の魚焼きによく使っている場合、トーストに魚臭が付いてしまうことが気になりますが、魚焼き後、トレイ等を良く洗って掃除するという、普通の手入れをしていれば、魚臭トーストにならずに済みます。手入れが今一つという場合、パンそのものは無事でもグリル全体が加熱されたことで、前回の魚の残り香がキッチンに立ち昇るということになりますので、やはり使用後の手入れの徹底は必要です。トーストへの移り香がどうしても気になる場合は、網台の上にアルミホイルを敷いておくと安心です。
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グリルに点火してすぐにトーストに見事な焼き色が付くことから、魚焼きグリルをピザ窯として使っている人も少なくありません。自家製のピザはもちろん、市販の具材が載ったピザも、魅力的な焼き色で仕上げることができます。冷蔵もしくは冷凍保存していた市販品の場合、片面焼きグリルでは上には焼き色が付くものの、下は冷たいままということもありますので、やや面倒でも最初にフライパンで下方を温めておくのがオススメです。特にクリスピータイプは、フライパン加熱によってカリッとした食感が高まります。
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魚焼きグリル上級者の場合、あるアイテムを使って、さらに進化した活用術をマスターしています。それは魚焼きグリル専用のフライパンです。一般的なガス台の魚焼きグリルにすっぽり収まるサイズで、こびりつかない加工がしてある製品は普通に魚を焼く場合にも大変重宝します。フライパン特有の深みがあることで、ピザのように焼き色を付けたいグラタンはもとより、ハンバーグやアクアパッツァなど、普通のフライパンを使って焼く料理も美味しく仕上げることができます。
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さらに、コロッケやエビフライなど、油をほとんど使わずに仕上げるフライヤー代わりに使うという方法もあります。ケーキ類も、普通のスポンジ台はさすがに無理ですが、カップケーキやスコーン、クッキーは、火加減にさえ気を付けていれば美味しく焼き上げることができます。本来の用途ではないだけに、タイマーが付いている魚焼きグリルでも、マメに焼き加減をチェックする必要がありますが、料理によっては電子レンジのオーブン機能を使うよりも美味しく、時短で料理を仕上げることができます。