最近の歌舞伎界は海老蔵さんのブログや漫画「ONE PIECE」を歌舞伎化されるなど随分身近に感じられるようになってきましたね。今回は女形の頂点、五代目坂東玉三郎さんをはじめ若手注目株の癒し系女形の中村米吉さんなど、女形に注目してみました。
歌舞伎の女形とは?
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歌舞伎の姫や町娘など女性の役をつとめる男性を女形(女方)と言います。寛永6年に徳川幕府が歌舞伎に女性が出演することを禁止し、以来男性が女の役をつとめるようになりました。歌舞伎では女形の存在はかかせません。女形の演技は、男性にとっての理想の作られた女性像なので、女形を演じるには自分の性別をも捨て演じることが大切です。本当の女よりも女らしくならないといけないので日常も女として過ごすそうです。舞台で演じるまでになるには体への負担もあり想像を超える努力が必要です。観客は女形を演じているのは男性と知りながら女性以上に女性らしく見える不思議さが歌舞伎における女形の魅力とも言えるのではないでしょうか。
女形の最高位は人間国宝5代目坂東玉三郎さん
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現在の五代目坂東玉三郎さんは、1950年4月25日生まれで、屋号は「大和屋」です。人間国宝に認定されるほどの有名な女形です。東京の料亭の息子として生まれ幼い頃に小児麻痺を患いリハビリの為に舞踏を習い始めたそうです。その後14代目守田勘弥の養子となり5代目坂東玉三郎を襲名することになりました。梨園出身ではなく女形としては170㎝以上ある身長ということなどで周囲との確執も多く大変な苦労をされたそうです。だからこそ誰も真似をすることが出来ない地位を築かれたのでしょう。現在は歌舞伎の若手女形を指導し、後継者の育成に力を注がれています。
若手女形、中村米吉が大人気
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五代目中村米吉さんは1993年年3月8日 生まれで、屋号は「播磨屋」です。お父さんは五代目中村歌六、お母さんはロス・インディオスの2代目ボーカル歌手おがわ恵子さんです。坂東玉三郎さんも一目置く将来を期待される若手女方として注目を浴びています。目尻の下がったタレ目と声がとっても可愛いと人気急上昇中です。2011年から本格的に女形の勉強を始められ、歌舞伎のお化粧をすると本当の女の子に間違えられることもあるとか。2018年には「新春浅草歌舞伎」にも女形で出演されます。
歌舞伎界の女形有名人
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尾上菊之助さんのお母さんは女優の富司純子さん、姉は女優の寺島しのぶさんです。「源氏物語」で紫の上を演じ女形として生まれ持った気品と容姿で歌舞伎界の新風と絶賛されました。長男も去年2歳で舞台に立ち親子3代での共演をされました。中村七之助さんは未婚のイケメン歌舞伎役者として注目されています。2008年「忠臣蔵」でおかるという女性役を演じ坂東玉三郎さんに稽古をつけてもらった事をきっかけに女形に魅力を感じられたそうです。切れ長の目が特徴で、クールビューティーと評価は高いです。尾上右近さんは市川猿之助さんが左腕骨折で休養する事になったスーパー歌舞伎セカンド「ワンピース」を代演し話題になりました。若手歌舞伎役者の中で、立役(男役)と女形どちらの役も器用に演じ分けられる貴重な存在と期待の星です。
まとめ
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歌舞伎の女形は実際の女性よりしぐさや歩き方がしなやかで魅了されますね。上品な妖艶さのある女形を見て歌舞伎ファンになった人も多いのではないでしょうか。日本の受け継がれてきた伝統芸能をこれからも大切にしたいですね。