京都市内にある寺院の境内に掲げられた看板が、「めっちゃ怖い」と、Twitterで注目を集めています。関西弁で、『行くのは勝手やけど知らんで』と警告されているような看板は、確かに、ただ『危険、立ち入り禁止』と書いた警告看板より効果がありそうです。なぜわざわざそんな看板を出しているのか、理由を寺に聞きました。
話題の看板は、京都市山科区の勧修寺(かじゅうじ)境内にあります。勧修寺は、900(昌泰3)年に開創され、室町時代以降は皇族出身者が住職を務めた歴史と格式ある寺院だそうです。境内の南側には、かつて氷を切り出して宮中に献上していたという由来を持つ氷室池があるのですが、看板は、その池をめぐる歩道上に掲げられています。
Twitter上では、この看板を、「@kyon_K4(キョン@空から見た廃墟展7/15-19大阪)」さんが、写真とともに「めっちゃ怖い道」と、紹介し投稿しました。このつぶやきを見た人たちからは、「しびれる看板」「『行くな』ではなく『行くのは自由だけど知らないよ』なのが余計怖い」といったコメントが寄せられていました。さらには、「こんなコトいわれるとなおさら行きたくなるから不思議」といった興味をそそられたといった感想もありました。
しかし、なぜそんな“怖い”看板を出しているのでしょうか。勧修寺の担当者によると、「池の周りにはカラスが多く、歩いている人の頭上に木の枝を落とすことがあります。池の周囲には柵がありませんし、歩道には木の根が張り出しています」とのことで、さまざまな危険が潜んでいるといいます。確かに、その歩道上には、この「大いに危険」の警告看板のほかにも、「この先カレエダ落下」という看板も設置されています。
さらに、「万一、拝観者が池の向こう側(南側)で水面に落ちても、本堂や庫裏から遠くすぐに助けることができません。なので『ご自由ですが大いに危険』と書いているのです」と、本当に危険であることを説明してくださいました。
よく、京都人の言葉には『表と裏』があると言われます。しかし、この看板の『この先行かれるのはご自由ですが大いに危険』との文言は、深読みしない方が良さそうです。勧修寺の氷室池を訪れる際にはくれぐれもお気を付けください。
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