JPアセット証券(本社・東京都中央区)から利益提供を受けていた石井浩郎・自民党参院議員(55)。この取引について、証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(特別の利益提供)の疑いで、同社を行政処分をするよう金融庁に勧告しました。かつては1億円プレイヤーだった石井氏ですが現在は…
呆れた私生活ぶり
デリバティブ取引には、担保となる証拠金が必要ですが、一定の倍率の大きさの額まで売買することができます。ただ、通常、損失が拡大して証拠金の額を超えてしまったら、追加分を納めるか、取引の清算と損失の穴埋めをしなければなりません。ところが、石井氏の場合、昨年12月には約6200万円もの証拠金不足に陥ったにもかかわらず、証券会社が便宜を図り、取引を継続していたのです。
石井氏は1990年近鉄に入団、巨人で4番打者を務め、ロッテなどを経て2002年に現役引退しています。10年の参院選で故郷の秋田から初当選、現在二期目でした。JP社の志村仁社長は石井氏の古い友人で、石井氏のパーティ券をたびたび購入していました。多少無理のきく間柄だったようです。
なぜ巨額取引をしたのでしょうか。石井氏はもつ鍋店を経営するなどビジネスに積極的だそうです。電話で専門用語を使って金融取引を指示する姿をよく見たという人も。石井氏はプロ野球時代の感覚が抜けず、高級車を乗り回し、息子を“御三家”と呼ばれる名門幼稚園に入れています。
石井氏は歌手・岡村孝子さんと結婚・離婚し、現在の妻は3人目ですが、それぞれに子供をもうけています。再々婚後の14年頃、前妻から養育費の不払いを指摘され、さらにその親族が自民党本部に「(石井氏と)連絡が取れないからどうにかしてほしい」と電話して来るなど、騒動になったことがあるようです。さらに、麻雀による“負債”も抱えていたという。
無類の麻雀好きで毎日のように夕方になると西麻布や赤坂の雀荘に出かけ、朝の部会後に行くこともあるとか。そして、同僚議員を誘うこともあったのです。石井氏が賭けた金額は相当なものでしょうが、麻雀仲間からは「負けても払ってくれない」との声が上がっていたそうです。
石井氏に養育費の不払いや賭け麻雀について質問状を送ったそうですが、それには答えず「法令に従い適正に処理している」、「(JP社の件は)現在すべて清算している」との回答があっただけだったそうです。
議員のあり方
プロ野球選手から議員へと転職し、球界の次は日本の未来を支えるなんて素晴らしいことです。しかし、石井氏の今の生活ぶりは議員としてだけではなく、一人の人間としてもいかがなものでしょうか。弁護士も今回の石井氏の行動については「言語道断」と語っている程です。石井氏がプロ野球時代のスポーツマンシップ精神を取り戻し、真摯に問題解決に努めてくれることを願うばかりです。