ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会の決勝が2日、横浜国際総合競技場で行われました。
決勝戦では7万人を超えるファンが競技場に集まり、南アフリカVSイングランドの決勝戦を観戦。
結果は南アフリカがイングランドを32-12で下し3大会ぶり3度目の優勝を果たしました。
戦前は、名将、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチが率いるイングランド有利の声が強かったが、想定外の完敗。
そのショックと悔しさからか、表彰式ではロックのマロ・イトジェが銀メダルを首にかけられることを拒否。
さらには、イングランドの選手たちが銀メダルを授与された直後、銀メダルを首から外す選手が続出するなど、
ラグビー発祥の“紳士の国”の選手が見せた“紳士的でない態度”を海外メディアも一斉に報じています。
イングランドの母国、英国のメトロ紙ではこんな見出しが。
「マロ・イトジェがラグビーW杯決勝で敗戦後、銀メダルを首にかけることを拒む」
との見出しを取り、表彰式での行為について報じました。
記事の内容をざっくり見てみると、
「試合後、イングランドの選手たちは、ワールドラグビーの現会長で元イングランドとブリティッシュ・ライオンズのキャプテンだったビル・ボーモント氏から銀メダルを受け取るために並んだ。だが、イトジェはボーモントと握手を交わした後、あからさまに首に銀メダルをかけられることを拒否した」
と大きく報じており、の紳士的でない態度を伝えました。
これらの記事は母国のデイリーメール紙でも大きく取り上げられており、表彰式の様子をレポート。
「『いりません!』イングランド選手がW杯決勝で南アフリカにこっぴどくやられた後、準優勝のメダルを首からかけられることを拒否して批判を浴びる」
との見出しを取って報じました。
負けて悔しい気持ちはわかるが、あまりの紳士的でない行為にSNS上でも批判は殺到。
「大会の最後にメダルを即座に外すという汚名を残す行為を犯したイングランド選手に対してファンたちは『不愉快な敗者たち』、『スポーツマン精神に反する』と(SNSなどで)批判的な反応を見せた。ファンの1人は『イングランドはメダルをかけることを拒否するかんしゃくを起こしていた。哀れだ』とつぶやいた」
と、ファンがツイッターなどSNSで発信した批判的な声を紹介しました。
また、今回のワールドカップで惜しくも優勝を逃したニュージーランドのニュースサイト「スタッフ」も、
「イングランドのシンクラーとイトジェがメダルを冷たく扱う」との見出しを取り、
「イングランドの2選手は、W杯決勝で南アフリカに敗れ2位に終わったことを祝う気分にはならなかった」
と伝えるなど、多くの海外メディアが、イングランドの銀メダル拒否事件について言及しています。
しかし、一方でイングランド選手の行為に同情的な声も掲載しているところもあり、
「オンライン上では彼らの行為に対して多くの批判が上がる中で、ウェールズのラグビージャーナリスト、サイモン・トーマス氏は、ツイッターで彼らの態度を擁護した」とし、
そのトーマス氏の「(この行為は)どれだけイングランドが落ち込んでいるかを物語っている。彼らはさらに上のものを望んでいたのだ」というコメントを掲載しました。
日本開催となったラグビーワールドカップ。
多くの人に感動を与えた今回のラグビーワールドカップ。
しかし最後の最後で残念なことに批判を浴びることとなったイングランドの選手たち。
ノーサイド精神がラグビーの美徳のひとつではありますが、それをラグビー発祥の地の選手たちが踏みにじったのは、なんとも残念な行為だともいえるでしょう。
母国だけでなく海外メディアが、これらの行為に注視し批判的に報じるのも当然なのかもしれませんね。