日本でも爆発的な人気となったタピオカミルクティー。海外では「バブルティー」とも呼ばれ、発祥地の台湾はもちろんのことアジア圏やアメリカなどでも広く愛されています。このほど中国の上海でバブルティーに依存してしまった18歳の少女が、砂糖の過剰摂取によって昏睡状態に陥ってしまったといいます。
5月2日、“バブルティーガール”こと18歳の少女は昏睡状態で倒れているところを家族に発見され、中国・上海の瑞金医院(Ruijin Hospital)に緊急搬送されました。この時、彼女の体重は125kgと肥満状態にあり、血液検査では血糖値が通常の25倍もの数値を示していたそうです。
家族によると少女はバブルティーに依存しており、1か月の間に毎日バブルティー2杯とコーラなどの砂糖がたっぷり入った飲み物などに1日約1500円(100元)を使っていたといいます。
救命医のルー・イミン医師(Lu Yiming)によって、血糖値が基準値より25倍も高いことがわかりました。かなり危険なレベルの高血糖による糖尿病性昏睡(糖尿病ケトアシドーシス)と診断された少女には腎障害も見られました。しかし人工呼吸器や血液透析療法などの治療が功を奏し、5日後に昏睡から目を覚ました。その後、少女は1か月ほど同病院で過ごし、状態が安定したため6月1日に南翔医院(Nanxiang Hospital)に引き続き管理入院のために転院となりました。
少女は昏睡に陥る1週間ほど前から、口渇、吐き気、頻尿などの糖尿病の合併症の症状が現れていたといいます。この1か月の治療によって少女は35kgも減量に成功しており、現在は別の病院でさらなる観察と食事指導などを受けています。「もうこりごり、二度とバブルティーは飲まない。」と約束したそうです。
弾力のあるタピオカと甘いミルクティーが売りのバブルティーですが、500mlの黒糖タピオカミルクティーには92gもの砂糖が使用されており、これは320mlのコカ・コーラに含まれる糖分の3倍にもあたるといいます。
上海市で販売されているタピオカドリンク1杯に、90グラム以上の砂糖が入っていることを知って驚いたという少女の主治医。若い世代に対し、「ここ数ヶ月の間に同じような患者さんを3名治療しています。甘いドリンクの飲みすぎ、糖分の摂りすぎには十分に注意して。」と呼びかけています。
なお、中国では2019年6月に腹部の膨満感、激しい胃痛、ひどい便秘を訴えた14歳の少女が病院に運び込まれ、レントゲン検査にて100個もの未消化のタピオカ詰まっているのを医師が発見しました。また、1月には13歳の少年が同じくタピオカの未消化が原因で腸に2つの大きな塊でき、緊急手術になるなどタピオカ関連の事故が相次いでいました。