宝塚歌劇団出身の女優で、女性初の参議院議長を務めた扇千景(おおぎ・ちかげ、本名・林寛子=はやし・ひろこ)さんが9日午前7時56分、都内の大学病院で死去したことが明らかになりました。89歳だったといいます。ネット上でも様々な声が寄せられています。
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扇さんの死因は食道胃接合部がんだということで、密葬は近親者で執り行いました。27日に東京・港区の増上寺光摂殿で本葬を行うそうです。喪主は長男で歌舞伎俳優の中村鴈治郎(なかむら・がんじろう、本名・林智太郎=はやし・ともたろう)さん。
【 中村鴈治郎さん コメント 】
母らしく、最期まで気丈な姿でした。 かつては女優もしておりましたが議員生活が長かったので、息子ながら、母親というよりも議員としての顔を強く感じていました。 また、議員を引退してからは父の面倒をずっと見ており、父にかかりっきりでしたが、父が亡くなってからのこの2年以上は母ひとりでしたので、一緒に食事をするなど同じ時間を過ごすことも増えてきました。そんな折に、母親だと改めて実感したものです。 最期は私たちの母として、苦しまず、穏やかに旅立っていきました。 今頃は大好きな父のもとにいて、きっと喜んでいると思います。 皆さまには、生前賜りましたご厚情に深く御礼申し上げると共に、どうぞ私どもにも変わらぬご指導、ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
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【 中村扇雀さん コメント 】
この度、母が 89 歳で身罷りました。入院して一ヶ月ほどでしたのでスッと安らかに永眠いたしました。 悔いのない人生であったと思います。銀行員の娘として生を受け宝塚の生徒として舞台を踏み、映画で父と知り合い兄と私を産み女優から参議院議員に転身し参議院議長まで務め上げ、歌舞伎俳優である父の 231 年振りに復活した坂田藤十郎襲名を支え内容の濃い人生だったと思います。 私は母に似ていると言われることが多く血液型も同じで性格も似ていたと思います。親子として共に過ごす時間は少なかったのですが多くのことを教えられました。 今は母の子であったことをただただ感謝しています。 改めて生前賜りましたご厚情に対し、厚くお礼申し上げますと共に今後私ども遺族に、変わりなきご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
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扇千景さんは1954年に宝塚歌劇団に入団し、同年映画「怪傑鷹」でデビュー。東宝専属となり「琴の爪」「ちゃっきり金太」などに出演。1973年から4年間、ワイドショー番組の司会をつとめました。 その後、1977年7月参議院議員に初当選し、建設大臣、国土庁長官、国土交通大臣などを歴任。参議院議長もつとめました。
扇さんの訃報にネット上ではこんな声が上がっています。
「九州南西海域工作船事件での決断は後世に記憶されます。芸能人上がりの政治家ではなく、きちんと決断を下せるリーダーでした。ご冥福をお祈りします。」
「宝塚出身の女優さんだけあって言動や立ちい振る舞いに切れ味のある方だったと思います。 有面人枠議員を越えて政治家としての存在感を残された事は尊敬と称賛を贈りたいです。 ご冥福をお祈りします。」
「日本の政治家、しかも大臣への挨拶とあって前夜は眠れないほどの緊張でしたが、ご本人は少しも偉ぶることなくとても穏やかに接して頂いたことを覚えています。お悔やみ申し上げます。」
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