藤子・F・不二雄さんの人気漫画『ドラえもん』の全6種類の異なる第1話を完全収録した新刊『ドラえもん 0巻』(小学館)が、12月1日に発売されることが決定しました。てんとう虫コミックス『ドラえもん』としては、1996年のコミックス第45巻発売以来、実に23年ぶりの最新刊となりました。
これは『ドラえもん』の連載50周年を記念して企画されたものです。1969年に小学館の6つの雑誌(『よいこ』『幼稚園』『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』『小学四年生』)にて連載がスタートしましたが、各雑誌の対象読者別に描き分けられた6種類の第1話が存在しているため、『ドラえもん』には6種類の異なる第1話が存在しています。てんとう虫コミックス第1巻には「小学四年生」版を、加筆・修正したものが収録されています。
今回発売される第0巻では、その6種類ある幻の第1話を、当時の掲載時の状態ほぼそのままに収録(カラーページも完全再現)し、読み比べができる形となっています。
また、『ドラえもん 伝説の予告ページ』も当時の状態で収録されます。これは『ドラえもん』連載開始号の前号に掲載する予告ページの締切までに、藤子・F・不二雄先生さんが作品のアイデアを思いつかず、「出た!」というフキダシで主人公の姿を描かずに告知したものです。加えて、藤子・F・不二雄さんによる伝説のドキュメンタリー漫画『ドラえもん誕生』もてんとう虫コミックスに初収録されます。
そのほか、連載が開始された当時の背景を解説する記事ページもあり、ドラえもんがいかにして誕生したのかがわかるメモリアルな1冊になっています。担当編集の徳山雅記氏は「ドラえもん50周年を記念して、この国民的名作の歴史を振り返るにはぴったりの1冊が誕生します。しっぽの色や、ネコを思わせる走り方、ひみつ道具の使い方など、現在の設定と異なる部分が注目のポイントです。てんとう虫コミックスの棚、1巻の前にそっと並べられる奇跡の最新刊、満を持して登場です」と見どころを伝えました。
『ドラえもん』は、22世紀の未来からやってきたネコ型ロボット「ドラえもん」と、勉強もスポーツも苦手な小学生「野比のび太」が繰り広げる不思議な日常生活を描いた物語です。ドラえもんのおなかにある四次元ポケットから取り出す多種多様な「ひみつ道具」で、のび太を手助けしたりする姿が人気となり、テレビアニメが現在も放送中です。漫画は藤子・F・不二雄さんが1996年に亡くなったため、同年で終了しています。
漫画連載が開始された1970年以来、テレビアニメ化、映画化などが行われ、これまでに12言語17カ国で漫画が出版、55カ国でアニメが放映されるなど、約50年にわたって国内外の多くのファンに愛されています。