失恋ショコラティエとは、月刊フラワーズにて2010年11月から連載開始した水城せとなによる漫画となっています。定期連載になる前に短期連載もされており全9巻という少なめの巻数ですが人気は非常に高く累計発行部数は250万部を超えるヒットとなっており、第36回講談社漫画賞の少女部門を受賞するといった業績を残しています。さらにテレビドラマ化もなされており、2014年の1月から3月にかけて放映されていました。
写真:video.udn.com
◼︎失恋ショコラティエの奇抜な人物設定
写真:br.pinterest.com
このようにヒット作品となっている失恋ショコラティエという作品ですが、そのストーリー展開は非常に奇抜でドロドロとした人物関係となっており、また物語が始まった矢先から二股や不倫といった要素が詰め込まれているため読者が思わず言葉を詰まらせてしまうような物語の導入となっています。ヒロインである高橋紗絵子に関しては異性から非常に人気がある女性として描かれたくさんのイケメンと付き合ってはすぐに別の男に乗り換えるという小悪魔的な魔性の女という設定になっており、主人公の小動爽太に対しても同様に付き合っていたかと思えばさっさと元彼とよりを戻して一方的に別れてしまい、さらに物語開始早々には主人公ではない別の男と結婚予定で主人公にウエディングケーキを作らせるといったような非常に奇を狙ったヒロインとなっています。そのような小悪魔的なヒロインである紗絵子のことを主人公である小動爽太はただただ想い続け、結婚していようがしていまいが関係なく自分に振り向いてもらうために紗絵子の好きなチョコレートを作るパティシエとなって、あの手この手でアタックするというのが失恋ショコラティエの本筋となっています。そしてこの2人をメインに、他にもサブキャラクター達を交えた片思いや不倫といった複雑な恋愛関係を描いているのです、point 564 | 1
写真:twitter.com
◼︎失恋ショコラティエの最終回で迎える片想いの結末
写真:the-rich-secret.com
思わず顔を引き攣ってしまう方も多そうなストーリー設計となっている失恋ショコラティエという作品ですが、しかし不倫や二股というヘビーな要素がある中で物語の中核となっているテーマは王道中の王道である恋愛としており、奇抜な設定群に隠れているようで真正面から真剣に恋愛というテーマを深く扱っている作品なのです。その王道要素はどんなことがあってもヒロインである紗絵子のことを諦めずに想い続けようとする主人公の爽太の姿から感じ取れることができることでしょう。このように登場するキャラが非常に複雑に絡み合いそしてたくさんの片想いで溢れかえっている失恋ショコラティエですが、最終回を迎える頃になるとどの片想いも何かしらの決着がしっかりつく形で終わりを迎えることとなります。当然片想いですから誰も心に傷つかないというわけにはいきませんが、それでもそれぞれの登場人物が強く成長して前を向いていくと思わせる最終回となっています。また、ヒロインの紗絵子に関しても主人公の爽太との不倫を選ぶのか今の旦那のことを選ぶのかといったメインストーリーもしっかりと最終回にてはっきりとされるため、納得の最終回となっており不完全燃焼でもやもやとした気持ちを残しながら終幕を迎えるといったことはありませんので安心してください。point 564 | 1
写真:ar-mag.jp
◼︎まとめ
不倫や二股という要素を扱っているが故にどうしても拒否反応を示してしまう方がいるかもしれない失恋ショコラティエという作品ですが、どんなことがあっても変わらずに愛を誓うはどういうことなのか、恋愛とはどういうことなのかが伝わってくる漫画です。そのような真剣な恋愛をテーマにした作品だからこそ、250万部を超えるヒット作となったのでしょう。より複雑な恋愛風景を楽しみたい方には非常にお勧めの漫画となっています。point 268 | 1