結婚する、しないという選択は もちろん個人的なものであり、誰かに強制されるものではないとは言えます。
しかし、「結婚しない」という選択をする人が増えているのはいくつかの社会的な背景や理由があるようにも思えます。
「AK男女?(あえて結婚しない男女)」たちにその理由を聞いてみると…
経済力に自信がない男性たち
「結婚にはお金が必要。今の収入じゃ結婚式なんて夢のまた夢だと思う。一緒に暮らす資金も必要だし、新婚旅行も国内で精いっぱいかも。女性は華やかな結婚にあこがれているだろうけど、それをかなえてあげられないと思うと結婚しない方が…」と 嘆く30代の男性。
確かに結婚式を挙げたり、新婚旅行に行ったりで予想以上にお金がかかるのもの。最近では、結婚式をしないとか、新婚旅行を近場にするとか、そういう節約の方法は多くなってもいますが、それはパートナーがいいと言ってくれるという前提があってこそ可能でしょう。
さらには 一緒に住む家を決めて引っ越したり家具家電をそろえたりと、やらなければならないことがたくさんあるので その分お金もかかるのは当然です。自身の経済力を考えるとなかなか結婚を考えられない現実もあることでしょう。
育児や家事を負担に感じる女性達
「一人暮らしだったらうどんとかパスタで済ませられたけど、旦那がいるとなるとちゃんとしたご飯を作らないととか、物理的にも負担が大きいけれど、そういう気持ちも負担の一つになっていると思う」と 30代の女性は言います。
「子育てが終わったら親の介護が待っているし、ワーキングママは仕事、家事、育児、旦那の世話を押し付けられている。自分のキャリアをあきらめてそんな道に進むほどの 勇気はない…」とため息をつく女性達も多いようです。
最近では 育児や家事に積極的に取り組む 育メンの夫たちも増えているともいますが、全体的には 圧倒的に数は少ないでしょう。確かに、いまだに日本人男性は家事をしないと言われていますよね。
もう少し既婚女性やワーキングママの負担が減ればいいのですが、いまの状況では結婚したがらない女性が多いのもうなずけます。
子育てのための結婚への負担
「子どもを産むのも怖いし、子どもってお金がかかる。日本だと子どものためだけに生きるのが母親ってもの、みたいな風潮がある気がしてそれも嫌だ。子どもは大事だけれど、自分の人生も楽しみたい。そのあたりの価値観を共有できる人なんていないだろうから結婚はしないと思う」と話す女性たちも。point 218 | 1
子供が欲しくてもできない夫婦もいるでしょうが、あえて夫婦二人で子どもをつくらずに暮らすという人たちもいます。そういう生き方をしてもいいはずなのですが、彼女の周りには「子どもがほしい」という男性ばかりだそうで、女性なのに子どもがニガテ、と言うと引かれてしまうとか…なかなか希望通りにはならないと言います。
たしかに、いまだに日本では 母親は子どものためだけに生きるべき、という風潮があるような気がします。それでも本人が納得した生き方なのであればいいのでしょうが、母親という役割に縛られずに自分らしく生きることは意外と難し選択肢とも言えそうです。
結婚自体に魅力を感じない?
「別に結婚する必要もないし、結婚にあこがれもない。結婚するよりも楽しいことがたくさんあるし、だれかに縛られる生活は嫌だ」
と そもそも「結婚する理由がない」と言う 20代後半の男性も。
「そもそも、男はほとんど家事や料理を誰かがやってくれることへの期待が結婚への期待そのものだと思う。でも、それってなんか女の人に失礼だし、自分で家事も料理もできる。そうなると、そういう役目を期待して結婚することもない」とも話してくれました。
彼の言うように、女性に身の回りのことをやってもらうことを期待して結婚するのは、確かに女性に対して失礼ですよね。
そうなると どうやら、結婚自体に魅力を感じないとも言えるでしょう。
お互いのニガテなところを補い合って暮らせることが結婚の魅力ですが、それがかなわない場合には結婚自体に魅力を感じなくなるのも仕方のないことかもしれません。
所得に対する不安や 子育ても含め 女性に負担が偏っていることなど、今の日本の問題が彼らの「結婚しない理由」と密接にかかわっているともいえます。
当然、このような結果は 今後の少子化にもますます拍車をかけることは間違いありません。
これらの問題の解決には、少なからず 社会的な支援制度の見直しの検討も急がれるべきでしょう。
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