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ドラマ版とは異なる!?漫画版「南くんの恋人」のオチが衝撃的!


「南くんの恋人」は内田春菊さんの漫画です。そしてまたこれを原作としたドラマも何度か制作、放送されています。

 


写真:kyusyu-fujin-post-it.com

「南くんの恋人」のあらすじを簡単に説明すると、主人公の南くんは高校3年生で、彼がちよみと言う女の子と恋に落ち、同棲生活を開始させます。そのふたりの日常が描かれているのですが、特徴的なのはちよみの身長が突然、16センチになってしまうと言う点です。

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写真:japan-drama.com

つまり単なる恋愛物語ではなく、ポケットサイズになってしまった恋人との生活に戸惑い、またそのために発生する様々な苦労に悩んだりする南くんの心情が描かれていると言うのも、「南くんの恋人」の特徴のひとつです。

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写真:news.livedoor.com

ドラマ化された「南くんの恋人」に関してですが、まず1作目は南くんを工藤正貴さんが、そしてちよみを石田ひかりさんが演じていました。結末はハッピーエンドで、ちよみが小さくなったのは家系によるもので、行方不明になっていたちよみが風船につかまって南くんのもとに戻ってくると言うものでした。そして2作目は南くんを武田真治さんが、ちよみは高橋由美子さんが演じていました。こちらのラストは少し悲しいもので、卒業記念で出かけた旅行先の長崎でちよみはめまいに襲われます。そしてちよみはじょじょに衰弱していくのですが、その中で彼女は自分が実は既に死んでいると言うこと、南くんに対する気持ちの強さゆえに、小さい姿となって南くんの前にあらわれたと言うことを思い出し、南くんの掌の中で消えていきます。ですがこの悲しい結末には視聴者から反発の声も寄せられ、後日、放送されたスペシャル版においては、ふたりは結婚すると言うハッピーエンドを迎えています。そして3度目では二宮和也さんと深田恭子さんが南くんとちよみを演じており、ちよみは小さい姿であることを周囲に明らかにし、その上でその姿のまま南くんと生きていく道を選ぶと言うハッピーエンドでした。point 582 | 1

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写真:hotori1116.hatenablog.com

しかしこのドラマ版の結末は、いずれも漫画版の「南くんの恋人」とは異なる内容です。そして漫画版のラストは非常に衝撃的で、ドラマ版から漫画版を読んだ人の中には、ドラマ版とのあまりの落差に戸惑い、驚きを覚えた人も多いようです。では漫画版のラストはどのような内容かと言うと、まず南くんとちよみは旅行に出かけます。しかしその最中、予期せぬ事故がふたりを襲います。それは暴走車が突っ込んでくると言う、まさに避けようがない悲劇でした。その衝撃で崖から転落してしまったふたりですが、奇跡的に南くんは一命を取り留めます。しかしちよみの姿が見当たりません。慌ててちよみの姿を探すと、傷ついた彼女は南くんの足元に横たわっていました。「もうお家に帰りたい」と今にも消えてしまいそうな声で言うちよみの願いを叶えるべく、南くんは家へと急ぎます。どうにかふたりが生活していた部屋に戻っては来たものの、時すでに遅し、ちよみは天へと召されてしまっていました。ちよみの存在は誰にも知られていなかったため、その死を知るのは南くんだけです。その圧倒的孤独を胸に、これからも彼が生きていかなければならないと言うのが、漫画版の結末です。point 580 | 1

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写真:gethashtags.com

つまりちよみは亡くなってしまい、ひとり、この世に残された形となった南くんの悲しみがひしひしと伝わってくるようなラストだと言えるのですが、このような結末にした理由を、作者の内田春菊さんは執筆当時を振り返ると言う形で、あとがきで以下のように話しています。まずひとつは、ちよみは本来、存在すべきでないと言う理由です。この言葉だけですべてを推し量るのは難しいことですが、もしかしたら現実社会にはなじむことができないちよみの存在が、現実社会で生きていかなければならない南くんの障壁となるような存在であると言う思いが、内田春菊さんの胸中にはあったのかもしれません。そしてもうひとつ、当時、内田春菊さんは子供を産める気がしていなかったため、ちよみを物語中で亡き者にしてしまうことで、子供を産むことを諦めようと言う作業を行っていたのではないかとも書かれています。このような背景を知った上で漫画版の「南くんの恋人」とドラマ版を比較してみると、その結末の違いが非常に鮮やかであるとも言えます。point 510 | 1

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