毒チョコ事件
なんと幼稚園に毒チョコが送られるという事件が、昭和に起きていたことが分かりました。
1987年(昭和62年)9月12日の朝日新聞によると「幼稚園に毒チョコ 香川 先月末から3園で20個」という記事が掲載されています。
事件があったのは香川県大川郡で、幼稚園・保育園の三園に農薬入りのチョコレートが送られたとのことです。
幸いにもチョコレートを受け取った幼稚園・保育園は不審に思ったため、職員や園児が食べることはなかったといいます。
当時、警察は「悪質ないたずら」とみて公開捜査を行いました。
記事によるとチョコレートに混入された農薬はごく少量だったということが記されています。
少量とはいえ農薬は小さい園児が口にすれば死亡する可能性もあり、香川県警は香川県全域の教育機関へ、差出人不明の届け物には十分警戒するよう呼びかけたといいます。
それから2日後、香川県の隣の県である徳島県鳴門市内の幼稚園でも、薬物入りのチョコレートが発見されました。
幼稚園の運動場に捨てられており、極めて微量の有機リン系の薬物反応があったといいます。
徳島県警は手口が香川県の事件と似ているとして捜査しました。
当時、事件が発生した近隣の幼稚園や小学校では、かなりのパニックになっており「校庭に不審物があったらすぐに連絡」するよう徹底されていたことも分かっています。
この「毒チョコ事件」は最終的に1988年まで続き、両県で見つかった農薬や青酸ソーダ入りのチョコレートは計58個にも及びました。
本事件は金銭目的の脅迫事件ではなく世間を騒がせようとした悪質ないたずら事件の可能性が高いと思われます。
異物混入事件
実は1987年当時は、食物への異物混入事件が相次いだ年だといいます。
例えば、長野県で除草剤入りの炭酸飲料を飲んだ男性が、重体となった事件があったようです。
なぜ異物混入事件が増えたのかというと、1984年に発生した「グリコ・森永事件」が影響しているといわれています。
「グリコ・森永事件」とは、「かい人21面相」を名乗る犯人が関西地方のいくつかのスーパーに青酸入りの菓子を置いたとされる事件のことです。
この大きな事件を受け、世間を騒がせようと異物混入に関する悪質ないたずらが増えたのでした。
ちなみに上記の「毒チョコ事件」ですが香川県と徳島県で、捜査が引き続き行われていました。
しかし詳しい事や犯人は見つからず、事件から約15年後の2003年6月に時効を迎えました。
事件の詳細も犯人も分かることなく、迷宮入りとなったのでした。
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