日本郵便の発表によると、今年の元旦に配達された年賀郵便物数(速報値)は 約13億通で、一人当たりにすると約10通ということです。
今年も 元旦に年賀状が届いたという方々もいるかとは思うのですが…
10年で34%低下、年賀状文化はこのまま衰退?
2018年度の国内への郵便物は約167億通、そのうち元旦に配達された年賀郵便物は約14億通(日本郵便より)だったので、年間に国内に配達される郵便物のうち約8%が元旦に届いていたことになります。
しかし、人口の減少や、若い人を中心にメールやSNSで新年のあいさつをするという人も増えており、年賀状の配達数は年々低下しているようです。2008年度は 約29億通だったが、2018年度は 約19億通と、この10年で 34%も低下しているのです。
ゆうパックやゆうメールは増加?
インターネットの普及により、年賀状を含めた郵便物数は 年々減少しているのですが、他方で、増えているのが 宅配貨物なのです。
国土交通月例経済によると、2018年度のトラック貨物輸送による宅配貨物取扱個数は、約42億個でした。
一人当たりに換算すると、2008年度は年間25個の荷物を受け取っていたのが、2018年度には年間33個になり 10年間で 8個 増えたことになるのです。
郵便業についても、第3次産業活動指数の郵便業指数全体では伸びていないものの、指数の元データとなっている引受郵便物等物数の内訳をみると、郵便物は減少している一方、ゆうパックや ゆうメールといった荷物は増加しています。
広がるインターネット通販の影響
第3次産業活動指数(経済産業省)の道路貨物運送業指数の推移をみてみると、宅配貨物運送業と一般貨物運送業がともに伸びているが、特に宅配貨物運送業が伸びていることがわかります。2018年度指数は131.8(2010年=100)と10年前から 約3割も伸びているのです。
こうした宅配貨物の増加の背景を探るために、近年のインターネット通信販売(物販)、フリマアプリ、ネットオークションの市場規模をみてみると…
インターネット通販市場の拡大が続いているが、フリマアプリも、はじめて登場した 2012 年から僅か 6年で ネットオークション市場に近づく勢いで 拡大しています。
近年、フリマアプリなどでは匿名配送も登場し、個人情報を気にすることなく、手軽に安心して見知らぬ個人間で配送が できるようになりました。
土曜配達の休止や 翌日配達の廃止も検討
他方で、宅配貨物が増えるなか、荷物を配送するドライバーの負担も増してきました。再配達防止のため、アプリなどで 配達前に日時や受け取り場所を変更できるサービスや、配達時間帯指定の見直し、コンビニ受け取りやロッカー受け取り、宅配便を受取人が指定した場所に置く「置き配」も導入されています。
また、郵便業でも 荷物等への人員再配置を可能とする狙いもあり、普通扱い郵便物の土曜配達の休止や 翌日配達の廃止が 昨年 検討されました。
宅配のおかげで、私たちの生活はより便利になりました。
それだけに 利用者側も、配達日時を意識し、一度で 受け取れるようにすることも 求められているといえそうです。